研究課題/領域番号 |
18K09956
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研究機関 | 駒沢女子大学 |
研究代表者 |
杵淵 恵美子 駒沢女子大学, 看護学部, 教授 (60245389)
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研究分担者 |
水野 真希 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (60547181)
吉田 安子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (40285010)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 人工妊娠中絶 / アンチスティグマ |
研究実績の概要 |
本研究では、妊娠中絶(以下TOP:Termination of Pregnancy)のケア改善およびケアに携わる看護職者の支援のため、TOPに対する否定的な心理(スティグマ)を測定する尺度を開発し、スティグマを軽減する(アンチスティグマ)のための利用について検討することを目的としている。 今年度は、これまでのデータを整理し、看護職者のTOPに対するスティグマの様相について検討した。首都圏の産婦人科診療科を持つ医療施設に勤務する女性看護職者を対象に、SABAS(Stigmatizing Attitudes,Beliefs,and Action Scale)を用いデータ収集した結果では、【排除および差別】【悪影響に対する恐怖】で9割が非スティグマ的態度であった。しかし、【否定的固定観念】では「中絶する女性は罪を犯している」51.1%、「中絶する女性は決して中絶する以前と同等に健康ではない」43.5%がスティグマ的態度であった。また、TOPに対するスティグマとTOPケアの消極性やコミュニケーションの困難感、TOPを受ける女性への見方には相関が見られ、スティグマが高い者ほどケアに消極的で、女性たちの痛みやつらさに対し非共感的であった。看護職者の多くはTOPのスティグマが低いものの、否定的・差別的な考えに同意する者もおり、TOPを希望する女性へのケア向上には、ケア提供者のスティグマをさらに低減する必要性が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究機関を移動したことから、研究環境整備に時間を要した。そのため、研究計画を見直し、調査方法・対象について検討し、調査開始の準備を進めたが研究協力施設の目処が立たず、調査方法の再修正を行った。また、COVID-19感染拡大により、医療施設へのコンタクトが困難になったため、予定していた調査まで進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまで調査方法として自記式調査票調査を計画していたが、研究に遅れを生じているため、Web調査に変更し、短期間でのデータ収集が行えるよう準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究機関の移動により研究環境の整備に時間を要したため計画に遅れが生じ、当初予定していた調査が実施困難となり、調査費用が次年度使用額として残った。また、参加予定学会が中止となったために旅費の支出が不要となり、次年度使用額が生じた。次年度は、調査の実施のために使用予定である。
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