研究課題/領域番号 |
18K09956
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研究機関 | 駒沢女子大学 |
研究代表者 |
杵淵 恵美子 駒沢女子大学, 看護学部, 教授 (60245389)
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研究分担者 |
水野 真希 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (60547181)
吉田 安子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (40285010)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 人工妊娠中絶 / アンチスティグマ |
研究実績の概要 |
本研究では、妊娠中絶(以下TOP:Termination of Pregnancy)に関するケアの改善、およびケアに携わる看護職者の支援のため、TOPに対する否定的な心理(スティグマ)を測定し、スティグマを軽減する(アンチスティグマの)ための方法について検討することを目的としている。 2020年度は、TOPに対するセルフスティグマの様相を明らかにするために、これまでに収集したデータの再検討を行った。女性看護職者を対象にした自記式調査票を用いたアンケート調査結果から、自分自身がTOP経験のある15名のセルフスティグマ尺度ILAS(Individual Level Abortion Stigma Scale)への回答内容を再分析した。セルフスティグマ尺度(ILAS)は、TOPに関する個人レベルのスティグマを測定する尺度であり、①批判への不安、②孤立、③自己批判、④コミュニティの非難の4因子から構成されている。対象者15名のILASへの回答結果は、平均総得点は1.39±0.62、批判への不安0.57±0.42、孤立1.64±0.89、自己批判2.13±0.62、コミュニティの非難1.60±0.8であった。「孤立」「自己批判」の値が高く、諸外国における結果と比較するとILASの総得点は同等の値であった。我が国ではTOPの実施方法やケアが諸外国と異なること、回答者が看護職者であることを考慮すると結果に影響を与えていた可能性もある。スティグマはTOPに対する女性の心理的適応を妨げることから、今後、一般女性を対象にしたさらなる調査が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染拡大により教育活動の変更作業に時間を要し、研究活動の時間が充分取れない状況になった。また、医療機関へのコンタクトも困難になり、予定していた調査まで進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究に遅れが生じ、当初の目的まで到達することは難しい状況であるため、調査対象者や規模を再検討し、Web調査に変更して短期間でデータ収集が行えるように準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大により予定していた調査が実施困難となり調査費用が残った。次年度、調査実施のために使用予定である。
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