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2018 年度 実施状況報告書

マルチエージェントモデルによる自治体病院の統合可否と人工知能評判分析の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09960
研究機関保健医療経営大学

研究代表者

川島 秀樹  保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 教授 (90516931)

研究分担者 林 勝裕  保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 教授 (10516983)
永石 尚也  山形大学, 学術研究院, 講師 (20782923)
後藤 浩士  保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 准教授 (20808852)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードアンケート調査 / 自治体病院統合 / 満足度調査 / ゲーム立地理論 / 病院の通院時間
研究実績の概要

2018年度前期は、公共機関から自治体病院に関する資料を取り寄せ、八女市役所職員、筑後市役所職員、桐明県会議員、八女市の小川市会議員などに質問を行い、Y病院およびC病院の現状を調査した。
2018年度後期は、共同研究者である林・後藤氏と現状を明確に把握するために、2018年10月1日から11月8日までに一般市民を対象としたアンケート(郵送依頼400通、回答数137通、回収率34.3%)を実施し、自治体病院の現状と課題(統合可否とその影響)について考察することにした。これらの結果については、2018年12月の九州経済学会「地域医療圏における自治体病院の現状と問題点」や聖マリア医学会「自治体病院の統合可否に関する問題点について」において発表している。
まず、ゲーム立地理論のホテリングモデルを使って、Y病院とC病院の中間地点に新しい病院を設立する場合、病院の通院時間は約1時間以内、距離的に10㎞以内の制約があると考えられる。次に、自治体病院に行かない人たちが存在する。理由として、①自宅近くに信頼できる病院(かかりつけ医)が存在、②自宅または職場から遠いため、③待ち時間が長そうだから、④八女筑後医療圏以外(例えば久留米市)の病院へ行くからである。さらに、病院全体の満足度、再受診、近親の方に紹介するかの回答は、両病院とも評価が高くなく、「自宅や職場に最も近いことが」自治体病院を利用した理由になっている。病院への移動手段は全体的に85%が自動車であり、バスは0%であった。特に、Y病院利用者は91%が自動車を使っていた。最後に、筑後市ではY・C両病院の利用者が多く、八女市ではY病院の利用が多いことも今回の調査であきらかとなった。
また、自治体病院は地域の社会経済システムを支える拠点でもあり、地域における貢献や産業の持続可能性を持っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

地域住民の病院利用度と患者需要を調査した。ケーススタディとして福岡県の病院事例について、アンケートによる調査と分析を行った。そのあとに、インターネットのWeb情報(ブログやSNSなど)から、データを集積してトレンドを解析した。研究の方法としては、データ収集とキーワードを抽出し・集積した。
これらのアンケート調査結果を、Accessデータベースに登録し、解析することが出来た。2018年度に2回の学会発表を行い、好評であった。また、九州経済学会においては「地域医療圏における自治体病院の現状と課題」という論題で投稿している。

今後の研究の推進方策

2019年度前期においては、6月に日本経済政策学会において「公立病院の統合問題と産業連関表による経済効果」を発表する。また、人工知能の一部分であるエージェントモデルartisocによる人工構築社会を組み立てる予定である。これは、株式会社構造計画研究所の講習会やサポートを受けることによってより精緻なシステムになると思われる。
また、2019年後期においては、日本地域学会において「八女筑後医療圏における公立病院の評判分析」について発表する予定である。公立病院の評判について、アンケートの自由記述欄に残されたコメントの中から抽出・分析することにした。
まず、公立病院の満足度を調べ、病院の存在意義を論じてみる。データベースに蓄積した巨大なテキストデータの集合を統計学や人工知能技術を使ってコンピュータによって解析し、これまで知られていなかった規則性や傾向など、何らかの有用な知見を得ることを実践する。これは、テキストマイニングと呼ばれている。データ解析のツールとして、統計解析言語のRと人工知能言語であるPythonを用い、試行するテキストマイニングは経済学において新たな挑戦であり、処理方法を例示する。
次に、MASのモデル構築によるシミュレーション分析を行う。2つの病院が合併した時の影響について分析する。そのためにはMASのartisoc社会システム・モデルを用いて、個人エージェントのライフサイクルを定義する。ライフイベントが起こるかどうかは、乱数を発生して事象が起こるかどうか判断する。そして、判断に使う遷移確率は、公式で使われているパラメータを利用することが有効である。この部分はマイクロシミュレーションの個人・世帯のライフサイクルモデルで培った部分である。その後、施設エージェント(民間、公立系)を追加し、病院利用者がどのように動いていくのか、利用者の満足度を出力する。

次年度使用額が生じた理由

人工知能機械学習パソコンを安いものにしたのと、モニターを1台しか購入しなかったので、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 地域医療圏における自治体病院の現状と問題点2018

    • 著者名/発表者名
      川島秀樹、後藤浩士、林勝裕
    • 学会等名
      九州経済学会
  • [学会発表] 自治体病院の統合可否に関する問題点について2018

    • 著者名/発表者名
      川島秀樹、林勝裕、後藤浩士
    • 学会等名
      聖マリア医学会

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公開日: 2019-12-27  

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