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2019 年度 実施状況報告書

マルチエージェントモデルによる自治体病院の統合可否と人工知能評判分析の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09960
研究機関保健医療経営大学

研究代表者

川島 秀樹  保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 教授(移行) (90516931)

研究分担者 林 勝裕  保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 教授(移行) (10516983)
永石 尚也  一橋大学, 大学院法学研究科, 特任講師(ジュニアフェロー) (20782923)
後藤 浩士  保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 准教授(移行) (20808852)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード公立病院の経済効果 / 産業連関分析 / 地域経済分析システム(RESAS) / 付加価値率 / ゲーム理論 / マルチエージェントモデル(artisoc)
研究実績の概要

まず、福岡県八女・筑後医療圏における自治体病院の統合・再編に関する現状と課題について研究した。アンケート結果から、自治体病院の利用者は、約60分以内、10㎞未満を選択しており、これが医療機関選択の大きな要因になっている。当地域において、自治体病院の満足度はそれほど高くなく、「自宅や職場に近いこと」が自治体病院を利用した理由になっている。統合に関しては、利害関係から一部で反対もあるが、「協力する」という意見は多い。両病院はお互いに依存関係があり、C病院に近い住民であっても、診療科によりY病院に行くことが確認された。また、病院の譲渡については、病院の運営主体よりも持続的経営を望んでいる。しかし過去の経験より、民間病院への譲渡には根強い反対がある。
次に、経済学におけるゲーム理論の1つであるホテリングの手法を用いた分析を行った。Y病院とC病院の中間点に新しい組織の病院を設立し運用することが望ましいという結果になる。
また、アンケート結果による統合可否の利得表を人工構築社会のマルチエージェントソフトであるartisocを使って、作成した。結果として、C病院とY病院の統合に協力することが、ナッシュ均衡となる。
さらに、Y病院の売上によって、どれだけの経済効果があるかを福岡県の産業連関表を使って、経済波及効果をみた。財務諸表による年間86億円の売上で、波及効果は福岡県内で126.5億円となる。経済学の乗数理論を使っても、概算額はほぼ同じである。病院は地域の基幹産業であり、病院の財務状況が赤字であることを理由として、閉鎖することによる地域社会への影響は甚大である。地域経済分析システム(RESAS)データを使っても、八女市の医療・福祉の付加価値額は第1位の171億円である。八女市の医療・福祉業界に占める付加価値率は19%となり、Y病院の経済効果は大きいことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

産業連関表におけるY病院の経済効果については、日本政策学会での発表などで一連の結果がでた。また、エージェントモデルに関しても、ゲーム理論で応用することによって、課題をクリアできたと思う。評判分析を試行中であるが、Linux環境でのソフトがうまく作用せず、Windows版のソフトを使用している。

今後の研究の推進方策

現在、Windows版でのソフトによる評判分析について結果がでたので、考察を行っている。その結果は、日本行政計画学会で発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

誤差の分を考慮することができなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 地域医療圏における自治体病院の役割 -病院統合・再編に関するアンケート-2019

    • 著者名/発表者名
      川島秀樹、後藤浩士
    • 雑誌名

      JAPA九州

      巻: 43号 ページ: pp.31-39

  • [学会発表] 公立病院の統合問題と産業連関表による経済効果2019

    • 著者名/発表者名
      川島秀樹、後藤浩士、林勝裕
    • 学会等名
      日本経済政策学会

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公開日: 2021-01-27  

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