研究課題/領域番号 |
18K09966
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
井出 成美 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任准教授 (80241975)
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研究分担者 |
酒井 郁子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (10197767)
高橋 在也 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任講師 (30758131)
臼井 いづみ 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任講師 (80595984)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 専門職連携教育 / 専門職連携実践能力 / 学習理論 / 専門職の社会化 |
研究実績の概要 |
本年度の計画は、「研究1:千葉大学IPEにおける学生のIPS発展状況の検証とそれに影響した学習体験の明確化」および「研究2:IPSステージ3のIPI尺度の開発」に向けて研究準備を行った。研究分担者によるリサーチミーティングを不定期であるが開催し、研究計画の練り直しを行った。 研究1に関しては、すでにパイロットスタディとして、平成16年度医学部・看護学部・薬学部入学生に対して行った「Step1」の教育プログラム終了後の最終レポートをデータとして、Khaliliらの開発したIPS枠組みを理論的枠組みとして、質的分析を終えている。この分析の結果、IPE学習の初期段階においても、IPSのステージ1~3までの各段階における学びが抽出できることが分かった。今後、学習段階がStep1~4まで各段階ごとに上がるそれぞれの段階でIPSがどのように発展しているか確認する必要を認識した。 そのため、まず今年度は理論的サンプリングをするためにデータの整理を行い、分析対象データを絞り込んだ。研究分担者の酒井らが開発した専門職連携能力自己評価尺度(CICS29)の卒業時得点をベースデータとし、CICS29の得点と性別および学部による層化抽出を行い、分析対象学生を絞ることとした。この対象学生の、IPEの各Step(1~4)の最終レポートを分析データとして、さらに質的分析を行っているところである。 研究2に関しては、IPSフレームワークの作成者であるKhaliliの研究チームメンバーであるカナダのGillan KingらがすでにInterprofessional Socialization and Valuing Scaleを開発しているため、その尺度に関する情報収集を行い、翻訳の可否について確認をとった。今後、この尺度の使用目的や日本語版作成の可能性を検討していく予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度から平成32年度までの期間で、「研究1:千葉大学IPEにおける学生のIPS発展状況の検証とそれに影響した学習体験の明確化」および「研究2:IPSステージ3のIPI尺度の開発」を完了する計画にしている。初年度として予定通り、「研究1:千葉大学IPEにおける学生のIPS発展状況の検証とそれに影響した学習体験の明確化」に関しては、上記の通り質的分析を開始でき、「研究2:IPSステージ3のIPI尺度の開発」に関しては、尺度の日本語版作成に向けて準備が進んだため順調な進展をしていると認識している。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、研究1、研究2を遂行していく。質的分析は時間を要する上に、妥当性や信頼性を確保していくプロセスが必要であるため、慎重に取り組んでいきたい。また、海外で開発された尺度の日本語版作成に関してはCOSMINガイドラインに沿いながら、こちらも慎重に進展させていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助者の雇用を計画していたが、研究代表者および研究分担者の業務により遂行できたため雇用しなかった。 また、情報収集のためのニュージーランドでの学会参加を計画していたが、本務のため実施できず、情報収集は国内学会のみとなった。 次年度は、研究1については、質的分析を進めていくための研究協力者の雇用費、研究2については、日本語版尺度の作成のための調査費用、さらに研究1・2両方に関して研究会議開催費、情報収集のための旅費として使用する計画である。
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