研究課題/領域番号 |
18K09969
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
野村 英樹 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (80313667)
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研究分担者 |
太田 邦雄 金沢大学, 医学系, 准教授 (00303280)
玉井 利克 金沢大学, 医学系, 助教 (40782082)
原 怜史 金沢大学, 医学系, 助教 (80749820)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験 / Post-CC OSCE / 一般化可能性理論 / G係数 |
研究実績の概要 |
金沢大学で2017年度~2020年度に実施した診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験(Post-CC OSCE)において、1試験室あたり2台ないし3台のカメラを用いて試験映像を記録し、直接の観察の場合と、映像を通じた観察の場合による評価の信頼性の検討を行った。特に2020年度は新型コロナウイルス感染症への対策として、試験室内には学生と評価者1名のみとし、遠隔会議システムを用いて別室の模擬患者と画面越しに医療面接を実施した.身体診察模擬患者はビニルマネキンで代用した。もう1名の評価者は,医療面接模擬患者と同様に遠隔会議システム経由で別室から2台のカメラ映像を観察しながらリアルタイムに評価を行った. 信頼性の解析には、Brennanによる一般化可能性理論を適用した。対象をp、列をc、課題をS、Sあたり評価者をR、評価項目をIとし、(p:c)x(R:S)xIのモデルにより解析した。 延べ660回の観察が行われ、全体平均G係数は0.641、G係数低下に関与した分散成分は、2名の評価者が室内で評価した過去3年間と異なり、[p:c]×[R:S]が最上位となった。S, R, I間の単回観察G係数はそれぞれ0.185(2019年は0.199)、0.308(同0.398)、0.357(同0.381)であった。室内評価者は遠隔評価者より全評点平均が0.02点低く、標準偏差はそれぞれ0.40および0.37であった。D研究では、2019年の条件(S=6、R=2、I=6)とした場合の全体G係数は0.76(同0.78)であった。 遠隔医療面接および遠隔複数映像評価を組み合わせたPost-CC OSCEは、6課題でシミュレーションすると前年と比較して大きな遜色はなかった。評価者間信頼性の低下が観察されたものの、映像を通じた評価の影響は小さいものと考えられた。
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