研究課題/領域番号 |
18K09971
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
後藤 道子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (10608946)
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研究分担者 |
竹村 洋典 千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (00335142)
若林 英樹 三重大学, 医学部, 寄附講座教授 (00378217)
北村 大 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80595679) [辞退]
関本 美穂 三重大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00244583)
大西 弘高 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90401314)
阿部 恵子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (00444274)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 信頼性評価 / ビデオレビュー / 評価表開発 / 総合診療専攻医 |
研究実績の概要 |
これまで「総合診療専門医養成プログラムにおける専攻医を対象としたビデオレビューを用いた教育システムにおけるフィードバックシート(評価表)」の開発を目的に、全国から医療面接のエキスパートを募り、総合診療医としてどのような医療面接スキルが求められるかを、ノミナルグループディスカッションというコンセンサスメソッドを用いて評価項目を収集した(総合診療医養成プログラムにおけるビデオレビューを用いた教育システムの構築U2018-021)。そこで挙がった評価項目に、日本プライマリ・ケア連合学会などのMLを使って、全国からエキスポートを募り、webアンケートで優先順位を付け、最終的に評価すべき項目を15に絞りこんだ。 こうして出来上がった暫定版ビデオレビュー評価表が、実際の診療場面で機能するかどうかを、専攻医の診療場面をビデオ撮影した映像を使って検証し、評価表のブラッシュアップを重ねてきた(ラピッドプロトタイピング手法を使ったカリキュラム開発 U2019-029)。 次のステップとして、本年度は、出来上がった「総合診療専攻医の為のビデオレビュー評価表(ルーブリックVer1.3)」の、信頼性を評価しなければならないと考え、新たに研究を開始した(ビデオレビュー評価表の信頼性評価の研究 U2022-006)。 信頼性の評価後、評価表の最終版を完成させ、総合診療専攻医のコミュニケーションスキルの向上を目指し評価表の普及に努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている理由としては、新型コロナ感染症の流行が大きい。また、多施設共同研究であることから、多くの研究分担者を取りまとめることや、専攻医のリクルートなどに時間がかかっていることが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
日本プライマリ・ケア学会のMLを使って、あるいは直接打診する形で、全国の総合診療専攻医を養成するプログラムの指導医で、ビデオレビュー評価表の信頼性評価研究に協力ができる医師10名~20名程度を募集する。研究協力を申し出た医師に対して、以下の2つの方法で評価表の信頼性を評価する。 検証1. 外来診療場面の録画内容を用い、複数評価者がビデオレビューする 1) 専攻医3名の外来診療場面を撮影したビデオを3例取得する 2) 指導医(評価者)3人がそれぞれのビデオをビデオレビュー評価表Ver.1.3を用いて評価する 3) 27の評価結果を専攻医(p)の分散に対する事例(c)と評価者(r)の2つの誤差分散の影響によって信頼性検証する。2ファセットネストデザインc:(p×r)の一般化可能性理論に基づき、信頼性指標を求め、決定研究を行う。これにより、合否を決める際などに必要な信頼性を得るために評価者何人、事例が何例あれば安定するかが明らかになる。 検証2. 実際の指導と同様に、一人の専攻医のビデオレビューを一人の評価者が行う 1) 5名程度の専攻医1人につき10例程度を目標とし、各事例において指導医がビデオレビュー評価表Ver.1.2を用いて専攻医のパフォーマンスを評価する。指導医は専攻医に対して固定でなく、様々な指導者が評価する形を前提とする(解析においてそう扱う)。各専攻医がビデオレビューを受ける事例数は異なっても構わない(専攻医Aが9例、Bが12例など)。2) 評価結果を専攻医(p)の分散に対する事例(c)の分散の影響という形で信頼性検証する。1ファセットアンバランストデザイン(c:p)の一般化可能性理論に基づいて信頼性指標を求め、決定研究を行う。これにより、1と同様の信頼性指標となるか、事例が何例あれば安定するかが明らかになる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、旅費として計上していたものが、使用できなくなったことで、当該助成金が生じた。今年度は、信頼性評価のための、専攻医及び指導医への謝金、また、評価表の普及活動費として使用するつもりである。
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