研究課題/領域番号 |
18K09980
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
小林 元 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (20423791)
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研究分担者 |
石川 和信 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80222959)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | psychomotor skill / 進路選択 / 器用さ / シミュレーション |
研究実績の概要 |
我々は、これまでの研究において、医学部5年次臨床実習で外科系3診療科と連携して高機能腹腔鏡下手術シミュレータを用いて医学生の器用さに着目してpsychomotor skillを観察してきた。その中で、医学部臨床実習の段階では、学生間に能力の差異があることを見出した。また、学生の医学部卒業後の進路を追跡し、実際に外科系専攻を選択した医師と非外科系専攻を選択した医師の間で卒前に測定したpsychomtor skillを比較したところ、個人差は認めなかった。 これらの結果を踏まえて、本研究では、医師の学修過程の各段階におけるpsychomotor skillに臨床学修・研修内容がどのように影響を与えているかを明らかとする。具体的には、高機能腹腔鏡下手術シミュレータを用いて、1)医師の学修段階(医学生、初期研修医、専攻医、専門医)でのpsychomotor skillの観察し差異があるかどうか、2)医師の学修過程(医学生→専攻医、専門医)に伴うpsychomotor skillの変化があるかどうか、3)臨床経験に関するアンケート調査、を予定する。 今年度は、高機能腹腔鏡下シミュレータを当初の計画(初年度に確保)より遅れて確保できたため、研究実施環境の整備を行った。研究代表者がシミュレータをトライアルを繰り返し、空間認識、把持、両手の協調運動の計測、データの保存と移行、解析法の確認を行った。研究対象者については、医学生、外科系診療科の専門医、非外科系診療科の専門医に協力を依頼することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、研究協力者を選定して依頼し、データ収集を行う予定であったが、研究実施に必須である高機能シミュレータの確保が当初の計画より1年強遅れたため、研究計画の遂行に遅れが生じた。また、共同研究者が異動したため、研究打ち合わせやデータ収集のために新たな研究実施体制を整備することとなり、時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、医学生、外科系診療科の専門医、非外科系診療科の専門医へ研究協力依頼を行い、共同研究者や連携研究者とともにpsychomotor skillの測定、および、臨床経験に関するアンケート調査を行う。また、研究協力者から5名程度を抽出し、面接による聞き取り調査を予定する。これらのデータを元に、臨床学修・研修内容とpsychomotor skill評価との関連性を解析する。医師が獲得するpsychomotor skillの発達曲線や個別性を明らかにし、効果的な臨床学修・研修トレーニング法の開発に繋げていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必須の高機能腹腔鏡下手術シミュレータの確保できたが、年度途中で共同研究者の異動があったため、研究協力依頼の実施まで進まなかった。次年度は、研究協力の依頼と実施を予定する。物品費に関しては、従来通りの費用を見込む。研究発表のための旅費、研究協力者への旅費、研究者打ち合わせのための旅費を見込む。人件費・謝金は、未使用分と合わせて、研究橋旅舎への謝礼としての費用を見込む。
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