研究課題/領域番号 |
18K09984
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
安藤 崇仁 帝京大学, 薬学部, 講師 (40761987)
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研究分担者 |
鹿嶋 小緒里 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (30581699)
松本 正俊 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 寄附講座教授 (40348016)
井上 和男 帝京大学, 医学部, 教授 (70275709)
齋藤 百枝美 帝京大学, 薬学部, 教授 (70439561)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 薬剤師 / 地域偏在 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、薬剤師の地域分布を評価する指標の一つとして、国民当たりの医療用医薬品小売額に着目して分析し、第28回日本医療薬学会年会(神戸、2018年11月23日~25日)にて発表した(演題名:地域の人口特性および薬剤師分布は医療用医薬品売上に影響するか-Lorentz曲線を用いた医療経済学的分析-)。 国民医療費は年々増加しつづけており、平成28年度の総医療費は41.3兆円に上がっている。そのような背景のもと、薬剤師には薬剤費の適正化と患者サービスの充実の両立が求められている。われわれは、1996年から2014年における薬剤師の地域偏在の動向について分析し、都市規模による薬剤師偏在について日本薬学会第138年会(2018年3月25日~28日)にて報告しており、それら地域的・医療的特性が薬剤費に与える影響を明らかとするべく、医療用医薬品売上額を指標として分析した。分析にもちいた市町村人口、薬剤師数、医師数および医療用医薬品売上額は、政府統計ポータルサイトであるe-Statにおいて公表されており、調査時点に最も近いものを取得した。取得した各データは、自治体コードにより結合して分析用データを作成した。作成した分析用データは、本基盤研究における評価方法の1つであるLorenz曲線およびGini係数により評価し、薬剤師の偏在の影響について議論するとともに、本基盤研究で重要な評価方法の妥当性を精査した。その結果、本研究の学術的「問い」である「薬剤師は、僻地を含め地理的に均等分布しているか」を検討する上で、医療経済学的指標が薬剤師分布の均等性評価の指標の1つとなる可能性を見出すことができた。 平成30年度に行った学会発表および薬剤師の地域偏在の動向に関する学会発表を分担研究者である井上和男が管理するInoue Methods websiteにて公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、1994年~2018年までの薬剤師調査個票データを使用し、薬剤師分布の縦断調査を行う。しかし、調査対象期間において多くの市町村合併があり、市町村数が減っているため、縦断調査では各時点の市町村を合併後の市町村として遡及して処理を行う必要がある。平成30年度の時点では、2016年まで公表されていることから、各調査対象時点の人口データおよび薬剤師データを2016年時点の市町村へ変換および結合が済んでおり、順調に進展していると言える。調査対象期間の最終年である2018年のデータが公表され次第、2018年時点の市町村へと各自治体を変換し、縦断調査を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象期間の最終年である2018年のデータが公表され次第、2018年時点の市町村へと各自治体を変換し、縦断調査を実施する。また、薬剤師調査個票データの申請を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地調査および学会旅費としての使用が予定よりも少なかったため次年度使用額が生じた。2019年度はすでに学会旅費および分担研究者との打ち合わせ旅費としての使用が予定されている。翌年度分助成金と合わせ、学会旅費、分担研究者との打ち合わせ旅費、消耗品費として使用予定。
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