研究課題/領域番号 |
18K09984
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
安藤 崇仁 帝京大学, 薬学部, 講師 (40761987)
|
研究分担者 |
鹿嶋 小緒里 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (30581699)
松本 正俊 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座教授 (40348016)
井上 和男 帝京大学, 医学部, 教授 (70275709)
齋藤 百枝美 帝京大学, 薬学部, 教授 (70439561)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 薬剤師 / 薬学部 / 薬剤師国家試験 / 薬剤師偏在 |
研究実績の概要 |
薬剤師が従事する業種は、医師・歯科医師と比べて多岐にわたっている。本研究の目的である、薬学教育が薬剤師の地域偏在に与える影響を評価する上で、業種ごとの薬剤師動向を把握しておくことは重要であることから、薬剤師が従事する業種毎の薬剤師偏在の様相について分析した。 薬剤師が従事する各業種に関するデータや自治体ごとの人口データ等を政府統計の総合窓口であるe-Statから入手して分析に用いた。調査対象期間は1996年から2016年の20年間とした。調査対象期間のうち、1996年、2000年、2006年、2010年および2016年の5時点を調査対象として、人口10万人あたりの薬剤師数を自治体規模別に縦断的に調査し、業種ごとの薬剤師動向を経時的に分析した。 分析の結果、調査期間の20年間において総薬剤師数は増加しており、特に薬局に勤務する薬剤師が増加していた。また、人口10万人あたりの薬剤師数は、薬剤師全体、医療業種(薬局および病院)に従事する薬剤師、医療業種以外の業種に勤務する薬剤師のいずれも自治体規模が大きいほど多く、医療業種に従事する薬剤師については、自治体規模が大きいほど増加量も多いことが明らかとなった。この結果から、各業種の薬剤師数には自治体規模により格差があり、医療業種に従事する薬剤師については自治体規模による格差が拡大していることが明らかとなった。この結果は、薬学教育と薬剤師の地域偏在の関連性を調査するための重要な基礎資料となる。 この成果は、厚生の指標69巻1号34頁-39頁に論文「1996年から2016年の20年間における薬剤師の就業動向」として掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
医師・歯科医師・薬剤師調査における、薬剤師調査の個票データを利用して分析を行うため、厚生労働省に対し個票データの申請はしていたが、2019年末から流行している新型コロナウイルス感染拡大の影響と思われる手続きの遅延もあり、個票データが2021年10月まで入手できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
入手した薬剤師個票データをもとに、薬剤師登録後年数別の薬剤師の地域偏在をLorenz曲線およびGini係数を利用して分析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、学会等がオンラインとなり旅費等の諸雑費が少なくなったため次年度使用額が生じた。 次年度は、学会発表、論文投稿料等に使用する。
|