研究課題/領域番号 |
18K09987
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
丹野 清美 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 政策医療企画研究部, 研究員 (70550812)
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研究分担者 |
中島 孝 独立行政法人国立病院機構新潟病院(臨床研究部), 臨床研究部, 院長 (00501404)
渡辺 美智子 慶應義塾大学, 健康マネジメント研究科(藤沢), 教授 (50150397) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日本語版DRS / Decision Regret Scale / 意思決定 / 患者主観的評価 / Patient Reported Outcome / HAL医療用下肢タイプ / 希少神経筋疾患患者 / サイバニクス治療 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、希少神経筋疾患患者が、HAL医療用下肢タイプを使用した歩行運動治療の選択を意思決定した後の評価の実態を明らかにすることである。そのためにHALのリアルワールドでの使用実施状況を調査し、長期の有効性および患者の主観的評価の重要性を明らかにした。さらに今回の分析を通して、データベース構築の重要性と、分析により発展できる可能性を考察した。 対象患者データは、①2022年7月8日までにEDC(eClinical Base ver.1.12.4)データに格納された中で、1施設の患者の臨床評価項目(9回を1クールとしたHALの実施回数、HALの実施間隔、2分間歩行テスト(2MWT)、歩行スピード、cadence等)および日本語版Decision Regret Scale(DRS)評価を抽出、②患者の疾患名、年齢、BMI等で、EDCに記載不十分な部分は、電子カルテを確認してデータを確認し、再度収集・紐付けを行った。解析は、(ⅰ)抽出したデータから、HALを長期実施した患者のHALの実施回数と2分間歩行テストおよび歩行スピードの状態またHALの実施間隔の影響等を検討、(ⅱ)日本語版DRSは、HAL初回実施から時系列によって変動しているのか、また2分間歩行テストによって変動しているのかを検討した。 結果は、(ⅰ)HALによるサイバニクス治療は、長期の使用においてHAL医療用下肢タイプおよびHAL自律支援モデルいずれも進行性の難病に対して有効性があることが示唆された。(ⅱ)日本語版DRS測定による意思決定後悔は、その変動からHALによるサイバニクス治療の患者の内面の特徴を把握できる可能性があることが得られた。データをさらに多く充実させると、進行性難病におけるサイバニクス治療の長期の有効性や安全性を確実に提示することができると考える。
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