研究課題/領域番号 |
18K09997
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
三宅 秀彦 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (40297932)
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研究分担者 |
蒔田 芳男 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20271778)
浦野 真理 東京女子医科大学, 医学部, 臨床心理士 (20752752)
四元 淳子 国際医療福祉大学, 大学院, 講師 (30553648)
櫻井 晃洋 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70262706)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 遺伝カウンセリング / 教育評価 / 模擬面接 / ルーブリック |
研究実績の概要 |
平成30年度は、ロールプレイ教材の収集を実施し、その内容について検討を行い、遺伝カウンセリングロールプレイで取り扱われる疾病および状態の傾向が明らかになった。令和元年度(平成31年度)は、さらにその解析を進め、ルーブリックの基本構成を検討し、ロールプレイテキストの大枠を検討した。 平成30年度は疾患単位での検討を行ったが、平成31年度の解析では、遺伝医療において実施される課題、具体的には、確定診断、出生前診断、発症前診断、保因者診断、といった診断場面や、疾患頻度や遺伝学的診断の重要度について分類を行った。この結果、収集したロールプレイの事例の特徴は、頻度が高く、遺伝医療の実践において理解しておくべき特徴をもつこと、また、出生前診断/着床前診断/保因者診断/発症前診断に関与する事例が取り扱われやすい、という傾向が認められ、ロールプレイの時間的制限から、複数の連続した場面で構成されているものも見られた。したがって、標準的な事例の作成には、頻度が高い疾患を対象に、複数場面を作成する必要があると考えられ、各遺伝性疾患の特性を理解して、カリキュラム構成を検討し、体系的に作成する事が必要という結論を得た。なお、本成果は、2019年7月26(金)~27(土) 第51回日本医学教育学会大会で発表した。 この検討を受け、事例集の作成において、全体の大枠を作成し、その大枠に基づき事例集で取り上げる11疾患/病態を選択し、事例集記載のひな形を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、事例を作成した後にまとめることを計画していたが、事例全体からカリキュラムを検討する事が有効であるということから、事例集全体の構成を検討した上で、事例を作成する事としたため、全体としてはやや遅れていると評価した。しかしながら、全体としては、事例集の作成、評価表の作成につながっており、大きな遅れではないと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年は最終年度であるため、令和元年度に定めた枠組みをもとに、事例集とルーブリックの完成を目指し、その評価を行う。 評価としては、実際のロールプレイで用い、そのうえで事例集およびルーブリックの試用調査を予定しているが、現在、COVID-19の流行により、ロールプレイ自体の実行が難しい可能性もある。その場合には、教育の専門家や患者団体関係者などから作成した事例について検討していただき、評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
事例の作成から、事例集を作成し、評価をもらうことを想定していたが、事例集の作成が全体の構成の構築をもとに行うこととし、さらに2020年に入ってからのCOVID-19の流行による移動制限のため、インタビューなどの調査に使用する旅費等の支出がなかった。 また、会議費に関しては、会議・打ち合わせを学会参加にあわせて行ったため、支出がなかった。 繰り越した金額については、事例集の作成に関わる費用および関係者へのインタビューに関する費用として支出する。
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