研究課題/領域番号 |
18K09998
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
若杉 雅浩 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (40377247)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高齢者救急 / 緊急度判定 / ACP |
研究実績の概要 |
高齢在宅療養者の救急対応に際して在宅医療関係者と救急医療関係者を繋ぎ、情報共有を円滑にする目的で、①「在宅高齢療養者の“もしも”の場合に受けたい医療・受けたくない医療を決定するプロセスであるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の推進と情報伝達のためのフレームワークの確立」と②「併発・合併症が多く複雑な病態の高齢者のトリアージ基準を検討する」を目指して本研究を遂行した。 ①について富山市医療介護連携研修会を開催し、救急搬送にかかわる消防職員、救急医療機関の医療従事者、在宅医療を行う医療従事者、介護施設職員が一堂に会して高齢者救急医療に関する現状と課題に関して検討し、今後の研究推進に向けての協力体制を構築するとともに、現時点での問題点を抽出し検討課題についての共通認識を得た。今後も定期的に研修会を開催しACP推進に向けての具体的なフレームワークの確立を図る予定である。これらの結果をふまえ高齢者の呼吸停止時の気道確保器具に関する問題点に関して7thWorldCongressofClinicalSafety(Bern)にて発表し、諸外国の参加者とともに問題を共有し解決策を検討した。 ②に関しては、高齢者のバイタルサインの中で状態を鋭敏に反映するのは呼吸状態であることを明らかにし、高齢重症傷病者の呼吸状態に関してのデータ収集体制を構築しているところである。この結果を受けて具体的なトリアージ基準を作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高齢傷病者の救急状態を把握するため、小型軽量ウエアラブル生体センサーと記録アプリを利用することで日常生活への負担なしに誰でもが呼吸数の変化を確実にとらえることができるような環境を構築し、誰もがバイタルサインの変動から重症度、緊急度を判定することができるようするが、センサーと記録アプリの通信状況の制御がうまくできておらずデータ収集に遅れが出ている。現在調整中であり今年度中には回収が修了しデータ収集が可能となる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の推進と情報伝達のためのフレームワークの確立」のために本年度も富山市医療介護連携研修会を開催し、前年度に協力関係を築いた関係者と具体的な体制構築を進めていく方針である。 高齢者の呼吸状態モニタリングに関しては新たなソフトウェア作成業者と協力して安定した情報収集ができるように機器改修を進めることで、研究を推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
小型軽量ウエアラブル生体センサーの動作不具合のため納入が遅れており、次年度より使用開始の予定となったため。現在、他業者も含めて回収作業を行っており研究遂行に問題はない。
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