研究課題/領域番号 |
18K10014
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 准教授 (70267540)
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研究分担者 |
向山 仁 横浜市立みなと赤十字病院(臨床研究センター), 統合医療研究分野, 研究員 (00242214)
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40157540)
花上 伸明 帝京大学, 医学部, 准教授 (40385232)
落合 亮一 東邦大学, 医学部, 教授 (70146695)
寺田 享志 東邦大学, 医学部, 講師 (70307734)
高橋 謙一郎 東邦大学, 医学部, 助教 (90613604)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 周術期口腔機能管理 / 口腔トリアージ法 / 術後肺炎予防 / 医療費削減 / 医療安全管理 |
研究実績の概要 |
当科考案の周術期口腔機能管理における口腔トリアージ法は、すべての手術患者に対し、スタッフが少人数でも評価と管理が可能となる方法である。この方法が、口腔管理なし群より術後肺炎を軽減し、従来の依頼方式での肺炎発症率を下回る結果となれば、全国で周術期口腔機能管理システムが導入されていない人的資源の不足している病院でも普及可能となる。研究の目標は、その点を明確にすることである。 初年度の研究方法は、通常臨床で行っている管理方法で、各施設で継続して術後併発症(特に肺炎)のデータを収集して、後方視的に分析する。口腔機能管理なし群、口腔トリアージ方式群と従来の「医科からの依頼」方式群とを術後肺炎の発症率や在院日数、抗菌薬の使用を含めた医療コストで対比した。 その結果、口腔トリアージ法による周術期口腔機能管理によって、全身麻酔手術後肺炎の発症率は、従来の発症率の3分の1である0.8%台に低下し、他院での他科からの依頼方式による口腔機能管理での低下率を有意に下回ることができた。また、対照群である帝京大学での口腔機能管理非実施下での肺炎発症率も、従来の発症率よりわずかに低下傾向であったが、口腔機能管理実施群である当院東邦大学医療センター大森病院と日赤病院に比して高い発症率であった。 この結果により、多施設におけるがん手術の口腔機能管理による術後肺炎予防効果、3群比較での論文作成、当院東邦大学医療センター大森病院と日赤群での医療費削減効果についての論文作成を並行して行っている。がん手術の口腔機能管理と3群比較と当院の医療費削減効果は英文化、日赤での医療費削減効果は、和文での投稿となる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
30年度は、実施計画通りにデータ採取できており、現在論文4編を作成中である。英文化が難しい課題であり、その点で停滞しているが、全体会議によって31年度以降の前向き調査の計画も進行しており、おおむね順調に推移している。英文1編、和文1編を投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
本年3月1日に全体会議を医科歯科大学にて行い、30年度の後ろ向き調査の結果の論文化について概要説明を行った。そして、前向き調査(非介入)に関する計画を立案、7月12日に模擬データ採取後の計画最終調整となり、9月より前向き調査(非介入)が開始される予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
複数の英文論文の校閲が、年度をまたいでしまったため、英文校閲費として30年度内に使用できなかった。その分を繰り越した。 そして、3回の研究会議にかかる費用が、すべて会場費の無料な場所を使用できたため、その分の負担が少なくなった。
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