研究課題/領域番号 |
18K10014
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 准教授 (70267540)
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研究分担者 |
向山 仁 昭和大学, 歯学部, その他 (00242214) [辞退]
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40157540)
花上 伸明 帝京大学, 医学部, 准教授 (40385232)
落合 亮一 東邦大学, 医学部, 名誉教授 (70146695) [辞退]
寺田 享志 東邦大学, 医学部, 准教授 (70307734) [辞退]
高橋 謙一郎 東邦大学, 医学部, 助教 (90613604)
兼古 晃輔 東邦大学, 医学部, 助教 (40459342)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 口腔トリアージ方式 / 周術期口腔機能管理 / 全身麻酔手術 / 術後肺炎 / 従来法口腔管理 / 歯科介入率 |
研究実績の概要 |
2019年末より、帝京大学とともに、前向き調査を始めようとしたが、COVID-19の世界的パンデミックにより、診療体制の縮小や、定時手術の制限など、何らかの介入を含めたデータ収集が難しくなったため、今まで後ろ向きに収集したデータの解析を拡大して行った。 その結果、口腔トリアージ方式を用いた周術期の口腔機能管理を行った当院では、トリアージ方式導入後に有意に肺炎の減少を認め、肺炎発症率は導入前に比べて2.07%から0.97%に減少した。トリアージ後の歯科介入率は、平均20%と安定した管理が可能であった。 対照群として、システム化されておらず、口腔管理を意図的に行わなかった場合、介入率は16%、肺炎発症率は3.28%と高水準であり、また、従来法による外科からの依頼で口腔機能管理を行った場合は、介入率12.8%にも関わらず、肺炎発症率は、0.89%と低値であり、10万人の手術患者あたり、2億5千万円の医療費削減効果が見られた。 これらの結果は、すべて論文投稿している。 こうした結果から、前向き調査を行わずして、口腔管理を計画的に行わなかった病院に比して、有意に肺炎発症を抑えることができたと思われた。しかしながら、従来法と口腔トリアージ方式との統計学的な差異は見られなかった。 ただ、人的資源が、口腔トリアージ方式では少人数で、計画的な口腔管理を策定でき、かつ20%の口腔管理率が持続的であることを考えると、この方式は有効な方法であることが、明らかになった。COVID-19感染拡大の情勢が安定し次第、従来法と口腔トリアージ方式との前向き調査による比較を、当院単独で行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の世界的パンデミックにより、診療体制の縮小や、定時手術の制限など、何らかの介入を含めたデータ収集が難しくなったため、すでに、歯科非介入との肺炎発症率に大きな差異が生じたことが判明した今、COVID-19感染拡大の情勢が安定し次第、従来法と口腔トリアージ方式との前向き調査による比較を、当院と帝京大学で行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の介入研究による計画は、多施設による研究を継続することが見込めないため、当院と帝京大学の手術患者の比較に関する研究という方針転換を行い、研究を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックにより、前向き研究が実施できなかったため、次年度へその分を繰り越しした。次年度は、後ろ向き調査を詳細に分析した論文投稿及びその掲載料に充てる予定である。
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