研究課題/領域番号 |
18K10015
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
渡邊 裕見子 (増田裕見子) 東京医科大学, 医学部, 助教 (20614564)
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研究分担者 |
関 順彦 帝京大学, 医学部, 教授 (90349374)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 在宅看取り |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現在の社会状況に合わせて在宅看取りを担う人、支える環境を視野に入れた在宅看取りの具体的な方法について探索することである。本年度は在宅看取りを行う上で大きな役割を果たすと考えた医師、看護師に対して在宅看取りに関する現在の課題や問題についてヒアリングを実施した。加えて、海外(韓国)の保険制度や医療、看取りについて現地を訪問し、ヒアリングを実施した。日本国内における在宅看取りについては、医療従事者、家族・本人、社会資源、環境、経済等の課題が山積していることは明らかだが、厚生労働省の検討会や先行研究の内容からも、在宅看取りに関する考え方、方針が一本化されておらず不明瞭であると言わざるを得ない。在宅看取りに関する先行文献は122件以上検索されているが、それぞれの考え方から、課題や問題について述べられている内容がほとんどであり、どれも具体的な在宅看取りの推進を示すものではない。文献そのものの情報が収集つかない状況であると分かった。そこで、在宅看取りに関する学会や先行研究では在宅看取りについてどのような考えが述べれているのかについて整理する必要性を実感した。方法はそれら文献をカテゴライズし、考察部分に関して分析を行う予定としている。それにより個が在宅看取りを推進する上で、どの部分に注目し課題や問題を感じているのか明確になるとともに具体的な方法を見いだせると考える。現在、先行文献を再度洗い直し、国、地方自治体、病院、施設、医療従事者、患者・家族、コメディカルが在宅看取りについてどのような考えを持ち、取り組みを実施しているのかを整理することに取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査用紙作成のため文献を洗い直していたところ、新たな課題となる点があり軌道修正の必要性を感じた。よって調査用紙作成の前に改めて計画内容の見直しと検討を行ったため時間的に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
ヒアリング内容と文献より改めて在宅看取りに関する社会の考え方、ニーズを洗い出し、優先的に着眼する必要がある内容について検討する。その上で調査用紙を作成し在宅看取りを実施する施設へ配布する。その結果をもとに具体的に在宅看取りを推進するうえでの手順書の試作を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
遠方でのヒアリング調査実施のために予算計上していた旅費が、近場でヒアリングに協力して頂ける方がいらっしゃったので、その分支出が抑えられた。また、当初早い時期から調査用紙の作成と配布に入る予定であったが、今年度調査内容について再度検討することとなり、それらにかかる物品費が支出されなかった。人件費日手は職場において研究補助者のサポートを受けることができ、人件費が大幅に抑えられる状況であった。また、参加を予定していた学会等への参加ができなかったことにより参加費、旅費等の経費が掛からなかった。今後の使用計画は、学会発表への参加、論文投稿、データ処理、文献整理、訪問看護ステーションへの追加ヒアリング調査等に関わる経費として予算を使っていく予定である。
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