研究課題/領域番号 |
18K10032
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
李 英姫 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60350039)
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研究分担者 |
川田 智之 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00224791)
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
平田 幸代 日本医科大学, 医学部, 助教 (40322515)
稲垣 弘文 日本医科大学, 医学部, 講師 (50213111)
臼田 実男 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (60338803)
野呂 林太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50366738)
神尾 孝一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (20465305)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 肺線維芽細胞 / 細胞遊走 / ディーゼル排気粒子 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
令和3年度の研究では、ヒト肺線維芽細胞のセルラインを用い,ディーゼル排気粒子(DEP)の肺線維芽細胞の遊走に及ぼす影響について検討した。 細胞株Human fetal lung fibroblast (HFL)1 を用い、DEPはStandard Reference Material 2975を使用した。DEPを無血清培地DMEMに1mg/mlになるよう超音波をかけて溶解し、フィルター(5μm)をかけた。 48well Chemotaxis assay chamberを用い、下層のチャンバーには2.5µg/ml Fibronectin を28µl/wellを添加し、ウェルの上にメンブレンフィルター(8μm)をカバーした。その上に上層のチャンバーをセッティングし、各濃度のDEP、またはTGF-β, N-アセチルシステイン(NAC)添加の無血清培地DMEMで調整した1×106/ml細胞懸濁液50μl/wellを入れて、37℃、5%CO2インキュベーターで6時間培養した。メンブレンのポアを通り抜けた細胞をカウントし、遊走能を評価した。 本実験系において、ヒト肺線維芽細胞株HFL1はDEP曝露により細胞遊走能が有意に亢進することを確認した。NACの併用投与により細胞遊走能の亢進は有意にブロックされた。TGF-βの併用投与による作用はみられなかった。DEPは酸化ストレス作用により肺線維芽細胞の遊走能を促進し、肺疾患のリモデリング病態へ影響する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、研究遂行に想定以上に時間を要するため、研究計画を見直し、研究期間を1年間再延長する。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果に基づき、DEPの肺線維芽細胞遊走能を促進する細胞内シグナル伝達経路、および分子メカニズムを明らかにする。研究成果をまとめて公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で、研究遂行に想定以上に時間を要するため、研究計画を見直し、研究期間を1年間再延長する。繰越金は次年度の研究に使用する予定である。
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