研究課題/領域番号 |
18K10035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
大藪 貴子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (20320369)
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研究分担者 |
明星 敏彦 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 非常勤講師 (00209959)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 吸入性粒子の有害性評価 / 吸入曝露試験 / 粒子の物理化学的特性 |
研究成果の概要 |
市販の2種のアクリル酸ポリマーと6種の高吸水性ポリマーを試料とし、その吸入性粒子の発生およびその形状と化学組成を明らかにし、JISに従って吸水能力を測定した、その中の1種について、ラットに5日間の吸入曝露試験を行った。対照群として清浄空気曝露群をおき、曝露濃度は日本の許容濃度を目安とした。曝露後、3日目、1か月目に解剖した結果、体重、肺重量、マクロで見た病理組織には対照群と差はなかったが、3日目のBALF中好中球や炎症性サイトカインは上昇し、1か月後には正常に戻っていた。今回は5日間の短期吸入曝露試験であったためか、反応が小さかった。有害性評価にはさらなる吸入曝露試験が必要と考えられた。
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自由記述の分野 |
吸入性粒子の有害性評価
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
労働現場で使用、開発されている化学物質の有害性と物理化学的特性との関係を明らかにするため、本研究では、2017年に労災認定された「架橋型アクリル酸系水溶性高分子化合物」について検討を試みた。この物質は、現物の入手が困難であっため、同様の膨潤、ゲル化の性質を持つ高吸水性ポリマーについて、その物理化学的特性を明らかにし、さらに短期吸入曝露試験を行い、その有害性を検討した。その結果、BALF中好中球やサイトカインの有意な上昇が認められたが、さらなる吸入曝露試験が必要と考えられた。その有害性と物理化学的特性との関係がわかれば、他の物質についても効率的に生体影響を予測でき、労災の減少につながると考える。
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