研究課題/領域番号 |
18K10039
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
枝川 亜希子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (80321941)
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研究分担者 |
宮本 比呂志 佐賀大学, 医学部, 教授 (40229894)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自由生活性アメーバ / アメーバ内寄生細菌 / レジオネラ / 生活環境 / 水たまり |
研究実績の概要 |
本研究では、生活環境に生息する自由生活性アメーバとアメーバ内寄生病原細菌の分布実態を明らかにして関連性を解明する。 令和2年度までに、水たまり98試料のうち、自由生活性アメーバは76試料(77.6%)からVannella sp.やAcanthamoeba sp.などを検出した。アメーバ内寄生病原細菌としてレジオネラの検出を試みた。培養法では3試料(3.1%)から検出し、検出菌数は10-30 CFU/100mL、検出菌種はすべてL. pneumophilaであった。試料については、細菌類をアメーバの中で増殖させてから検出するアメーバ共培養法を並行して行った。試料およびアメーバ共培養後の試料についてqPCR法を行った結果、いずれもすべてが陽性であった。qPCR法およびアメーバ共培養-qPCR法でのレジオネラ数と水温、気温および相対湿度との関係性をそれぞれ解析したが、相関性は認められなかった。アメーバ共培養法を行うことにより、10試料(10.2%)でレジオネラ菌数の10倍以上の増加を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に従い、前年度までに水たまり試料から自由生活性アメーバなどの検出を行うと共に、アメーバ共培養法後の試料などを得た。今年度は、これらの保存試料についてqPCRを実施することができたが、遺伝子解析などが遅れているため、やや遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
アメーバ共培養法を行うことによりレジオネラ菌数が10倍以上増加した試料などについて、シーケンスなどを用いて遺伝子解析を行う予定である。これらの結果から、検出率の季節変動、アメーバ共培養法実施の有無による比較等を行い、自由生活性アメーバとレジオネラ属菌の関連性について解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
緊急事態宣言に伴う通常業務変更の影響で、今年度予定していた遺伝子関連の解析の一部を次年度に延期した。この変更に伴い、次年度使用額が生じている。研究計画を順次進めているところであり、次年度使用額は、遺伝子関連試薬や実験に必要な消耗品類に使用する予定である。
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