研究課題/領域番号 |
18K10039
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
枝川 亜希子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (80321941)
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研究分担者 |
宮本 比呂志 佐賀大学, 医学部, 教授 (40229894)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自由生活性アメーバ / アメーバ内寄生細菌 / レジオネラ / 生活環境 / 水たまり |
研究実績の概要 |
本研究では、生活環境に生息する自由生活性アメーバとアメーバ内寄生病原細菌の分布実態を明らかにして関連性を解明する。これまでに、水たまり98試料を対象に、自由生活性アメーバおよびアメーバ内寄生細菌としてレジオネラの検出を種々の方法を用いて行った。今年度は、アメーバ共培養法を用いることにより、レジオネラ菌数が増加した水たまり試料について、レジオネラの存在やその細菌叢を明らかにするために、次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析を行った。 qPCR法の結果を比較して、アメーバ共培養法でレジオネラ菌数が1 Log以上に増加した10試料について、16S rDNA に基づく菌叢解析を行った。その結果、全体の菌叢に対するレジオネラの占有比率は、いずれの試料も0~2%程度で非常に少なかった。また、培養法でレジオネラを検出した3試料(検出菌数10 ~30 CFU/100mL、検出菌種L. pneumophila)についても同様に、16S rDNA に基づく菌叢解析を行ったところ、全体の菌叢に対するレジオネラの占有比率はいずれの試料も0~0.1%程度であった。水たまり試料からは、Sphingomonadaceae、Flavobacteriales等が優占種として検出された。アメーバ共培養法を行うことにより水たまり試料に存在する細菌叢に変化がみられ、菌種の多様性は減少傾向を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一昨年にやや遅れた影響で全体的にやや遅れていたが、補助事業期間を延長をすることにより、今年度の予定はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
アメーバ共培養法を行うことにより水たまり試料に存在する細菌叢に変化がみられることが確認できたため、すべての試料について、次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析を行う予定である。菌叢解析およびこれまでに得られた結果から、生活環境に生息する自由生活性アメーバとアメーバ内寄生病原細菌の関連性について解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
一昨年度に遺伝子関連解析の一部が遅れたことにより、全体的にやや計画が遅れている。その影響で、次年度使用額が生じている。当初の計画に加え、追加で必要と考えられる研究の遺伝子関連試薬や消耗品類に使用する予定である。
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