研究課題/領域番号 |
18K10050
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
新野 大介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員教授 (20426563)
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研究分担者 |
岩永 正子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00372772)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 成人T細胞白血病リンパ腫 / マイクロRNA / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
上五島地区のATL患者の地域特性を明らかにするために, HTLV-1検査データベース内のHTLV-1陽性者から発症したATLを特定し, 性別・出生年別発症率を求める予定であった。2018年度は3回上五島病院を訪問し、カルテを参照したが、カルテに詳細な記載がないことや、古い年代の患者では紙カルテの入手が困難なこともあり、正確なHTLV-1データベースがなく難航している。しかし今後も上五島を訪問し、データベースを作成していく予定である。 2019年度はmiRNA解析を行ってきた。HTLV-1キャリアからATL進展時の経時的血清マーカー変動を明らかにするために、上五島地区の血清を使用する前に、まず長崎大学にある少数の検体を用いて網羅的にmiRNAを解析した。長崎大学病院検査部に保存してあるHTLV-1陰性健常者、HTLV-1キャリア、慢性型ATL、急性型ATL3例ずつの保存血清を、東レ株式会社研究所に送付し、3D-GENEというDNAチップを用いてmiRNAを網羅的に解析してきた。血漿をTORAYの高感度マイクロアレイシステム(3D gene)にて 、データベースに登録されている約2600種のmiRNAを全て測定し、網羅的に解析した。得られたデータをもとにANOVA p<0.05であるmiRNAを抽出し、そのうち2群間にてさらに発現量の差がp<0.05となるmiRNAを抽出し、miRNAの番号が600未満のものに絞り、検討した。miR-92,miR-19は急性型ATL発症および慢性型ATLの急性転化の、 Let-7 familyは慢性型ATL発症および急性転化の、miR-130は慢性型ATL発症のバイオマーカーなる可能性があることがわかった。miRNAの発現異常によりATLの腫瘍化を阻害していることが考えられた。 今後miR-92,miR-19, miR-130について、症例を増やし検討する予定である。長崎大学病院のATL症例を増やし、血漿を抽出し、まず候補miRNAの発現解析の実験系を確立し、データを得られたら学会発表、論文作成を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度中にmiRNAの網羅的解析で得られた候補miRNAについて、症例を増やし検討する予定であったが、ATL症例の抽出とmiRNA解析のプローブ等の準備に時間がかかってしまったため、研究がやや遅れている。2020年1月ごろから新型コロナウイルス感染症の影響も加わって、現在準備に手間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
長崎大学病院のATL症例の多数症例を用いて、miR-92,miR-19, miR-130についてのmiRNAの発現を検討する予定である。そのために実験系の確立を行い、候補miRNAの解析を行う。データが得られた後、データ解析を行い、学会発表、論文作成を予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の若干の遅れが生じたため、主にプローブ、PCR試薬などを購入する分の消耗品代が必要でなくなり、2019年度の使用額が減少した。この消耗品代は2020年度に使用する予定である。
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