自己免疫疾患は、細胞内の様々な蛋白質-核酸複合体、蛋白質-複合体などに対する自己抗体の産生が特徴である。近年、腫瘍の新規診断マーカーとして、患者の血清に検出される自己抗体が注目されている。本研究では、前立腺がん発生への関与が推測されるDFS70, Ro52、Ro60、CENP-A、CENP-Bに対する血清中自己抗体、ライフスタイルデータ、食物摂取頻度調査データ、臨床病理学的データを統合し、症例対照研究(前立腺がん795例、健常者群957例)を実施した。CENP-Aに関しては、がん患者群で統計学的に有意に低い割合であったが、その他の自己抗体と前立腺がんとの間に関連は認められなかった。
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