研究課題/領域番号 |
18K10053
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
堀内 正久 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50264403)
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研究分担者 |
牛飼 美晴 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70232816)
有村 恵美 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科(日本語日本文学専攻、英語英文学専攻),生活科学科(食物栄養専攻、生活科学専攻),商経学科(経済専攻、経営情報専攻),第二部商経学科】, 助教 (40552964)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | グルコース輸送体 / ヘキソキナーゼ / ビタミンB1輸送体 / ビタミンB1キナーゼ / 尿中ビタミンB1排泄量 |
研究実績の概要 |
脂肪酸代謝異常病態におけるビタミンB1の果たす役割を明らかにする目的で、糖代謝とビタミンB1代謝関連分子についての挙動を評価した。糖代謝関連分子として、グルコース輸送体(GluT)とヘキソキナーゼ(HK)について検討した。脂肪酸代謝異常病態モデルであるJVSマウス(細胞膜カルニチン輸送体欠損マウス)心臓において、GluT4とHK2は、mRNAレベルは低いにもかかわらず、タンパク質レベルは高い傾向を示した。JVSマウス心臓において、これらタンパク質の分解が抑制されている可能性が示唆された。ビタミンB1代謝関連分子として、ビタミンB1輸送体(THTR)、ビタミンB1キナーゼ(TPK)、ミトコンドリアビタミンB1輸送体(mTPT)について検討した。mTPTは、JVSマウスにおいて、mRNAレベルが高い傾向を示したが、THTRとTPKは、JVSマウス心臓で、mRNAのレベルが低い傾向を示した。また、尿中ビタミン排泄量の評価を実施し、摂食量が変わらない条件で、JVSマウスにおいては、ビタミンB1排泄量が低い傾向を示した。以上のことから、脂肪酸代謝異常病態におけるエネルギー利用スイッチの結果、糖代謝が亢進しているが、ビタミンB1代謝関連分子群は、要求性に関して一定の方向に動いていない可能性が示唆された。本検討を通じて、自動転写式電気泳動装置を用いたWestern blotting 法を実施し、従来に比べて、より正確なタンパク質定量法の確立を試み、一定の結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
糖代謝・ビタミンB1代謝について、mRNAレベル、タンパク質レベルでの評価は当初の予定通り実施できた。また、尿中ビタミンB1測定についても実施ができた。一方、in vivo実験であるビタミンB1投与実験は、特殊食(ビタミンB1含有)の検討にとどまり、実施が遅れている。 以上の状況を踏まえて、(3)やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ビタミンB1代謝に関しては、関連分子の活性や、臓器・血中レベルのビタミンB1レベルの測定を試みる。また、in vivo実験であるビタミンB1添加の影響を評価するために、特殊食の調製を試みる。特殊食調製後、in vivo 実験を実施し、病態への影響を早急に評価する必要があると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
in vivo実験に関する経費は、次年度で使用するため。
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