研究課題/領域番号 |
18K10053
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
堀内 正久 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50264403)
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研究分担者 |
牛飼 美晴 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70232816)
有村 恵美 鹿児島県立短期大学, その他部局等【生活科学科】, 助教 (40552964)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脂肪酸代謝異常 / カルニチン / 心肥大 / 脂肪肝 |
研究実績の概要 |
【背景】脂肪酸代謝異常マウス心臓において、ビタミンB1関連遺伝子発現が変化していることが示されたことから、脂肪酸代謝異常病態におけるビタミンB1の果たす役割を明らかにする目的で、生体マウスにビタミンB1投与を実施し、その影響を評価した。すでに、通常の食事条件で、心肥大や脂肪肝を認めることから、飲水へのビタミンB1添加を行い、それら病態への影響評価を行った。通常用いている餌は、2 mg/100 g のビタミンB1含量であり、その10倍程度の投与量になることが予想された。 【方法と結果】野生型マウスと変異型マウス(オス)をそれぞれ、ビタミンB1濃度(0%、0.02%、0.1%)の異なる給水条件で4週間飼育した。0.1%濃度投与野生型マウス群で、摂食量の低下が認められたが、体重の増加量はむしろ多い傾向を示した。変異マウス群では、体重変化、摂食量には有意な影響を認めなかった。変異型マウスは、いずれのビタミンB1濃度群においても、同B1濃度投与野生型マウス群と比べて、肝臓、心臓重量が重く、褐色脂肪組織重量は軽かった。変異型マウスにおけるビタミンB1投与群において、心臓重量に有意な差を認めなったが、肝臓重量は、ビタミンB1投与群が重い傾向を示した。現在、血中ビタミンB1濃度の測定と、心臓への影響を考慮して、血中ANP濃度の測定、肝臓への影響を考慮して、ケトン体測定や肝臓中の脂質含量の測定を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脂肪酸代謝異常病態における臓器レベル、生体レベルのビタミンB1の影響をほぼ評価できた。しかし、学会発表や論文発表には至らず、やや進展が遅れていると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
脂肪酸代謝異常病態において、ビタミンB1投与によって、脂肪肝が増強された可能性が示唆された。ビタミンB1の投与によって、脂肪酸代謝がどのような影響を受けるのか、肝臓及び心臓のそれぞれにおいて、脂質分析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験結果の精度を高めるために個体数を増やした。測定のできていない試料が生じたため、採取した臓器・血液の分析のための消耗品費として利用する。また、学会発表後、論文での公表のため、論文作成費として利用する。
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