本研究は、山梨県甲州市との共同研究であり、30年以上の母子保健縦断調査査という出生コホートのフィールド内において、小学4年生から中学3年生までを対象とした調査を行い、出生から思春期までのデータを構築して様々な検討を行っているものである。 思春期における調査では、児童生徒の心の健康と生活習慣として、生活習慣(睡眠、運動習慣、食習慣)、心の健康(抑うつ評価尺度、起立性調節障害問診基準項目、ヤングインターネット依存項目※後者2項目は中学生のみ)について、自記式で実施している。近年、この調査の回答方法のweb化について検討してきており、令和5年度は、グーグルフォームによる調査を実施した。また、学校で計測されている身体データについても、共有されてデータの蓄積を行っている。 昨年は、妊娠時の飲酒が、思春期におけるメンタルヘルスにどのように影響を及ぼすかを検討を行った。母親の妊娠時におけるメンタルヘルス(抑うつなど)の状況がないため、これに代わる調査項目を使用すること、また、Siblingでのデータを抽出して母親の飲酒ステイタスによる検討を行うことで、家庭環境を加味した解析を行うことができた。これらの点も考慮して検討を行った結果、妊娠時の飲酒は、児の思春期における抑うつのリスクとなっていた。 調査内容も、社会状況に合わせて変えていく必要があり、またwebでの回答になったことでの影響も検討していく必要があるだろう。
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