研究課題/領域番号 |
18K10072
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研究機関 | 北海道千歳リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
森 満 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (50175634)
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研究分担者 |
北澤 一利 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00204884)
尚和 里子 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30813919)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 後期高齢者 / 多重タスク運動 / 健康増進 / 日常生活動作 / 閉じこもり / 認知機能 / 抑うつ状態 |
研究実績の概要 |
第1回目調査として、ふまねっと運動の実施者が比較的多い北海道内の8町を調査対象地域に選定し、75歳から79歳までの8町の町民3,156人が調査の対象となり、2,227人から調査への同意をいただき、2018年10月から12月までの間に、基本チェックリストを含む自記式調査票に回答していただいた(回答率70.6%)。次に、第2回目調査として、第1回目調査で自記式調査票による調査研究への回答が得られた2,227人に対して、同一の調査票による調査を2019年10月から12月までの間に行い、そのうちの1,971人から回答が得られた(回答率88.5%)。第1回目と第二回目の両方の調査に回答が得られた1,971人について、同一者への繰り返し測定のデータを、解析ソフトウエアSASによる対応のあるt 検定とWilcoxonの順位和検定、反復測定分散分析で解析した。第1回目と第二回目の2回の調査から、日常生活関連活動低下については、過去1年間にふまねっと運動に参加していた群(以下、F運動参加あり群)は、なし群と比べて有意に低く(p<0.001)、運動器機能低下については、F運動参加あり群は、なし群と比べて低いが有意ではなかった(p=0.069)。低栄養状態については、F運動参加あり群は、なし群と比べて低いが有意ではなかった(p=0.069)。口腔機能低下には差異はなかった(p=0.742)。閉じこもりについては、F運動参加あり群はなし群と比べて有意に低く(p<0.001)、認知機能低下については、F運動参加あり群は、なし群と比べて有意に低く(p<0.001)、抑うつ状態については、F運動参加あり群は、なし群と比べて有意に低く(p=0.006)、日常生活活動低下については、F運動参加あり群はなし群と比べて有意に低かった(p<0.001)。F運動に参加することのADL維持向上の効果が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
運動強度は強くないが、多重タスク運動の一種であるふまねっと運動に参加していることが、後期高齢者のADLの維持向上に効果がある、ということを3年間の前向き縦断研究のデザインで示す、ということが本研究の主たる目的であった。そして、2018年に基本チェックリストを含む自記式調査票を用いて第1回目調査を行い、2019年に同一人に同様の自記式調査票を用いて第2回目調査行って、2年間の前向き縦断研究による繰り返し測定のデータを反復測定分散分析法で解析して、ふまねって運動に参加していることが後期高齢者のADLの維持向上に有効であることを示唆する結果が得られた。2020年に行われる予定の第3回目調査によって、さらに確かな結果を得ることが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
前向き縦断研究のデザインに基づいて、2018年に行われた第1回目調査と2019年に行われた第2回目調査によって、ふまねっと運動に参加していることが、後期高齢者のADLの維持向上に有効であることことが示唆された。そこで、第1回目調査や第2回目調査と同様に、基本チェックリストを含む自記式調査票を用いて、2020年度に第3回目調査を行って、3年間にわたり繰り返し測定したデータについて、反復測定分散分析法を用いて解析する予定である。
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