研究課題/領域番号 |
18K10073
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
三重野 牧子 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60464707)
|
研究分担者 |
田中 紀子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医学統計研究室長 (10376460)
新井 富生 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20232019)
沢辺 元司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30196331)
石川 鎮清 自治医科大学, 医学部, 教授 (70306140)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 生存時間解析 / 競合リスク / 死因 |
研究実績の概要 |
1年目に引き続き、競合する複数のアウトカムが存在する場合である、競合リスクが存在するときの生存時間解析方法論についての検討を進めた。とくに、本研究では死亡診断書に記載された原死因を死因データとして用いた分析を想定している。死亡診断書に記載されている死因に誤分類があった場合の、リスク因子推定値へのバイアスの程度や影響度について、ある程度妥当で、かつ現実的な感度分析方法を提案することが目的であるため、その目的に沿った競合リスク解析方法論検討に絞って研究を行った。 競合リスク生存時間解析としては、累積死亡率や比例ハザードモデルの枠組みだけではなく、より柔軟に共変量をモデル化できる分位点回帰生存時間解析やquantile residual life回帰への適用を行った。実データへの適用としては、自治医科大学を中心として行われているJMSコホート研究データで検討を行った結果を国際学会(国際臨床生物統計学会)で発表した。12490例を対象としたJMSコホート研究データでは追跡期間中央値が20.2年と長期にわたっているのが特徴である。ベースラインリスク因子の競合アウトカム(がん死亡・循環器疾患死亡・その他の原因による死亡)への長期影響について図示した。その結果、過去の研究で10年程度の追跡でリスク因子と結論づけていた要因の多くについて、長期追跡になると効果減衰していく様子をとらえることができた。実データ解析の結果をもとに、競合リスク間の誤分類発生についてのモデル化を行い、複数の統計モデルについての構築を試みているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
検討するリスクの種類が増えた場合に、候補となる統計モデル構築が当初の想定以上に難解で時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
複数の死因を検討しようとすると、相当数の種類を統計モデルに組み込む必要が出てくる一方で、モデルが複雑になりすぎることも現実的ではないため、両者のバランスをとった状態を考えることとする。具体的には、シンプルなモデルから汎用的に感度分析可能な競合リスク生存時間解析が行えるスキームを構築し、当初の研究目的を達成できるように進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
人件費として予算計上していたプログラミングについて、依頼する前に行っている統計モデル構築に時間がかかっており、年度内に発注できなかったため。引き続きモデル構築をすすめることとする。
|