研究課題/領域番号 |
18K10080
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
吉岡 英治 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70435957)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自殺対策 / 空間疫学 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、「社会経済的要因が自殺率の地域差に及ぼす影響の検討」に関して、データの収集と解析を実施した。 2009年から2017年までの市町村ごとの自殺死亡者数を用い、性別年齢階級別に、自殺死亡の標準化死亡比に関して、疾病地図を作成し、その分布を調べた。年齢は「39歳以下」、「40から59歳」、「60歳以上」というような3区分とした。疾病地図は、空間相関を階層ベイズモデルで平滑化する条件付き自己回帰モデルを用いて作成した。これは、自殺のような稀なイベントの発生率は、小さい地域ではその年や時期で値が大きく変動 してしまう問題があるためである。 さらに、2010年の国勢調査の結果から、市町村ごとの人口密度、賃貸住宅に居住世帯の割合、管理職または専門職であるものの割合、5年前の住所地と異なる住所地に居住するものの割合、未婚である15歳以上のものの割合、母子家庭または父子家庭の割合を入手した。そして、2010年の医師・歯科医師・薬剤師調査の結果から、精神科医以外の医師数、精神科医数を入手した。そして、これらのデータを用いて、市町村別の自殺率と社会経済的要因との関連を解析した。これに関して、現在英文論文を執筆中であり、令和元年度に投稿予定である。 「都市部と僻地部の自殺率の地域格差の推移」に関しては、1999年から2017年のデータを収集し、整理を行っている。令和元年度に1998年以前のデータの収集を行う予定である。データ収集と整理を行った後に、データ解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「社会経済的要因が自殺率の地域差に及ぼす影響の検討」の解析は、平成30年度の秋頃には終了する予定であったが、予想以上に時間がかかってしまった。平成31年4月になりようやく主だった解析が終了した。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度に「社会経済的要因が自殺率の地域差に及ぼす影響の検討」に関する英文論文を投稿予定である。 さらに、「都市部と僻地部の自殺率の地域格差の推移」に関して、可能であれば1998年以前の市町村ごとの自殺死亡者のデータの利用を申請する。データ収集と整理を行った後に、データ解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度はデータの収集、解析にかなり時間がかかってしまった。このため、次年度使用額が発生してしまった。次年度は、今年度ほとんど実施できなかった研究成果の発表を行う予定である。
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