研究実績の概要 |
小学生5,6年生の質問調査、身体計測、血圧測定、尿検査を行う本研究では、2020年度に新型コロナウイルス感染症が流行し、学校への調査の依頼、協力取得ができなかった。2019年度に集めたデータではサンプルサイズが小さく、今後サンプルを増やすことが困難なことが予想されたため、以前に行った中学生を対象とした調査データと統合し、早朝尿のナトリウム、カリウム、クレアチニン濃度と年齢・身体計測値から、小学5年生から中学3年生を対象とした1日食塩、カリウム摂取量を推定する式を得た。ナトリウム濃度あるいはカリウム濃度のクレアチニン濃度との比に、身長・体重・年齢から推定した1日クレアチニン排泄量をかけて求める式である。その推定値は、24時間尿から得た測定値と比較して、級内相関係数はナトリウムで0.61(95%信頼区間、0.40~0.76),カリウムで0.55(95%信頼区間、0.33~0.72)となり、それぞれ8.6%、8.7%過小推定であった。以前、身体計測、尿中濃度、身体活動を使った回帰式よりも級内相関係数は高くなった。結果は国際誌で公開した(Okuda, M., Asakura, K. & Sasaki, S. Estimation of daily sodium and potassium excretion from overnight urine of Japanese children and adolescents. Environ Health Prev Med 25, 74 (2020). https://doi.org/10.1186/s12199-020-00911-3)。尿は学校健康診断で用いる早朝尿であり、この推定式を用いて小学生、中学生にあまり負担をかけずに1日食塩、カリウム摂取量を求めることができるようになった。
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