研究課題/領域番号 |
18K10088
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
上原 里程 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90276999)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心肺蘇生法 / 乳幼児 / 保護者 / 啓発 / 自治体 |
研究実績の概要 |
本研究は、乳幼児を持つ保護者に心肺蘇生法の知識普及を図るために、市町村で実施できる効果的な手法を開発することを目的としている。具体的には、市町村が実施する乳児家庭全戸訪問事業において乳児宅を訪問する際に心肺蘇生法のリーフレットを配布し、その後乳幼児健康診査(以下、健診)時に保護者の心肺蘇生法に関する知識、意識を評価する。本研究によって出生後早期に全戸に情報提供することが心肺蘇生法の知識普及に有効であることを提示できれば、全国の市町村で適用できる手法として活用が期待できる。 当初の計画では、1歳6か月児健診時にリーフレット配布の効果検証を行う予定にしていたが、研究代表者の所属研究機関異動に伴い自治体に実施協力を得るための時間を要したことから、研究実施期間を再検討し効果検証の時期を9~11か月児健診時に変更することとした。 2年目である令和元年度は京都府精華町と同木津川市の協力のもと、①現状把握のための保護者の心肺蘇生法の知識および意識に関する調査、および②乳児家庭全戸訪問事業における子どもの心肺蘇生法に関するリーフレットの配布を実施した。①の対象者は、精華町では令和元年7月から令和2年1月までに9~10か月児健診を受診した児の保護者141人、木津川市では令和元年8月から令和2年2月までに10~11か月児健診を受診した児の保護者335人(合計476人)、②の対象者は令和元年4月~令和2年3月に出生した児の保護者である。①については455人(精華町121人、木津川市334人)から回答が得らえた。また、②については該当の保護者へリーフレットを配布できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目に予定していた①現状把握のための保護者の心肺蘇生法の知識および意識に関する調査、および②乳児家庭全戸訪問事業における子どもの心肺蘇生法に関するリーフレットの配布を実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は3年目の最終年度であり、リーフレット配布対象の保護者に対して9~11か月児健診時に②乳児家庭全戸訪問事業を活用した知識普及の検証を行う(2021年1月まで)。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、実施協力自治体である精華町および木津川市では令和2年3月から乳幼児健診を休止している。そのため、②の効果検証のための調査期間を短縮せざるを得ない状況にある。自治体において乳幼児健診が再開された後は、健診実施に合わせて2021年1月までに効果検証のための調査を実施し、その結果を①の調査結果と比較しリーフレット配布の効果検証を行う。 なお、①の調査結果については年度内に学会発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の研究が遅れ2年目にずれ込んだことから、初年度および2年目に予定していた調査票の入力や学会発表等が一部実施できなかったことによる。3年目である令和2年度には次年度使用額を活用してこれらを実施する予定である。
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