研究課題/領域番号 |
18K10093
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
森河 裕子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20210156)
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研究分担者 |
石崎 昌夫 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10184516)
寺西 敬子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (10345580)
櫻井 勝 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90397216)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ソーシャルキャピタル / ヘルスリテラシー / 生活習慣 / リスクファクター / 労働者 |
研究実績の概要 |
本研究の仮説は次の2つである。①ヘルスリテラシーやソーシャル・キャピタルの醸成は職場環境や労働態様によって影響を受ける。②両者の交互作用によって労働者の在職中から退職後の保健行動、セルフケアが規定される。これらを横断的研究と追跡研究の2つの方法で評価することである。 平成30年度は、対象事業所の既存資料の収集と横断的分析を行った。対象事業所では、集団、個別にヘルスリテラシーの醸成を図る啓発活動がなされてきた。特にターゲットとしてきた生活習慣(肥満、喫煙、多量飲酒、運動習慣なし、高血圧未治療、糖尿病未治療)の保有割合から現状の分析を行った。解析対象者は7952人(男5700人、女2252人)である。その結果、男性はJSH2度高血圧以上で未治療は2.9%、HbA1c7%以上で未治療は0.5%、肥満(BMI25以上)は26.9%、多量飲酒者5.5%、喫煙者36.7%、余暇運動なし62.5%であった。女性はJSH2度高血圧以上で未治療1.8%、HbA1c7%以上で未治療0.3%、肥満15.2%、多量飲酒者3.2%、喫煙者8.1%、余暇運動なし74.8%であった。これら6つの要素のうち3つ以上集積していたのは男性9.6%、女性は2.8%で、加齢とともに割合が高くなっていた。 また、2019年度に実施する質問紙調査ヘルスリテラシーとソーシャル・キャピタルに関する質問紙調査項目の選定及び確定作業を行った。ヘルスリテラシーの測定にはThe European Health Literacy Society(HLS-EU)で開発されたHLS-EU-Q47の日本語訳を用い、ソーシャル・キャピタルは岡山大学疫学・衛生学分野で開発したものを用いることとし、それぞれ作者の許諾を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象事業所の全従業員を対象にヘルスリテラシーとソーシャルキャピタルに関する質問紙調査を実施する予定であるが、受け入れ側の事業所が独自の調査を行う予定があり、時期を半年ほど後にする必要が生じたため、スケジュールが若干遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
対象事業所の責任者および労働者の代表で構成される委員会での承認を受けた後、全数を対象に質問紙調査を実施する。予定は2019年9月。 既存資料の収集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査を次年度に行うことになったため、委託費(質問紙作成費、データ入力費)の使用が行えなかった。2019年度は、委託費(質問紙作成費、データ入力費)に使用する。
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