研究課題
単純糖質の過剰摂取は肥満・糖尿病・死亡リスクの原因になりうるという仮説が提唱されている。単純糖質摂取量の規定因子には遺伝要因と環境要因があると考えられるが、単純糖質摂取における遺伝要因の果たす役割は大きいかもしれない。本研究では、約17,000人の疾病に罹患していない一般集団の大規模ゲノムデータを用いて、ゲノム網羅的関連解析を行い、単純糖質摂取量および甘味嗜好の遺伝要因を明らかにする。今年度は、妥当性の確認された単純糖質摂取量に着目したゲノム網羅的関連解析に実施した。先行研究としては、ゲノムワイド関連解析結果を掲載している国際的なデータベース (www.ebi.ac.uk/gwas/)には、2019年に単純糖質摂取量を形質としたものが1件登録されていた(文献1)。同研究では、16番染色体上のFTO遺伝子領域のrs11642841がゲノムワイド関連解析の水準で統計学的に有意に単純糖質摂取量と関連していた(P = 3.8 × 10-8) 。本研究においても、複数のSNPsが単純糖質摂取量と相関することが示唆され、新規遺伝子座を同定した可能性がある。再現性の検証、当該遺伝子座が糖質摂取量を規定するメカニズムの検討を進めている。さらに、単純糖質以外の糖質摂取量を形質とした、ゲノム網羅的関連解析の実施に着手した。参考文献:1.Hwang LD et al. Am J Clin Nutr. 2019;109(6):1724‐1737. doi:10.1093/ajcn/nqz043
2: おおむね順調に進展している
今年度の計画である、甘味嗜好・単純糖質摂取量に着目したゲノムワイド関連解析を実施し、再現性の検討を進めている。
前年度に引き続き、甘味嗜好・単純糖質摂取量に着目したゲノムワイド関連解析および再現性の検討・分析を行う。さらに、メンデルのランダム化解析を実施することを計画している。
次年度にゲノム解析を行う必要が生じたため、次年度使用額が生じた。
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