研究課題/領域番号 |
18K10098
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
西條 泰明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70360906)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 医師確保 / 地域医療 / 地域枠 / 奨学金 |
研究実績の概要 |
地域枠入学者についてどのような自治体が医師確保を行えているのか要因を検討する必要があると考える。対象は日本国内の全933町・村で郵送によるアンケート調を行った。347の返信があり、342自治体が解析対象となった。 町村独自の奨学金は46町村に認めた。病院ありの町村で有意に奨学金ありが多く、自治医大卒業生の派遣がある町村、医局派遣医師のいる自治体で有意に奨学金ありが多かった。独自奨学金のある町村では、1自治体が都道府県内、15が町村内、29が制限なしとしていた。また、年齢制限は1自治体が不明であるが、その他にはなかった。現在の受給者は0人が30自治体、1人が9自治体、2人が2自治体、3人が4自治体であった。義務年限中は0人が41自治体、1人が3自治体、2人が1自治体であった。義務年限後は1自治体に認めた。 現在の受給者あり、義務年中、義務年限後のいずれかの確保ありを医師確保ありとして、その関連要因の解析では、村よりも町、人口が多いこと、病院があることが有意に確保に関連していた。また、医局医師の派遣があることも有意に確保に関連していた。奨学金額について、月15万円を超えることが確保に関連する傾向を認めた。 独自の奨学金は病院を持っている自治体、自治医大卒業生の派遣や医局医師の派遣を受けているとことが有意に関連しており、病院の維持に加え、派遣が打ち切られた場合の対策の意味もあるのかもしれない。独自の奨学金ありで、医師確保ができているのはよりも町、人口が多いこと、病院があることが有意に確保に関連しており、町・村の中でも規模の大きい自治体で、さらに病院を持っていることが学生にも魅力があるのかと思われる。また、医局医師があることが有意に関連していたが、医局のつながりを保ち勤務できるメリットがある可能性がある。また、月当たりの奨学金の金額が大きいことも医師確保につながる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人口動態統計を利用する研究を含んでいるが、人口動態統計の誤りがあったため厚生労働省からの訂正版が発表されるのをまって行う必要があるため、その部分の解析がやや遅れている。2019年度前半には終了できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
人口動態統計の訂正データ発表をまって、「地理情報システム(GIS)を用いたPC医分布格差と医療アウトカムへの影響」の2018年予定分の解析を2019年度前半に終了し、2019年度解析予定分を予定通り行う予定である。2019年度に予定している「逆紹介への患者側の意見についての質問票調査」については2019年度前半に開始できる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析に使用する予定の人口動態統計の誤りについて厚生労働省より発表があり、訂正発表を待っていたため研究が翌年度に持ち越しとなりました。使用計画については、研究成果発表旅費、データがそろった後の統計解析用ソフトウエア購入に使用する予定です。
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