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2020 年度 実施状況報告書

低濃度マンガン曝露の無症候性神経機能に及ぼす影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K10100
研究機関秋田大学

研究代表者

岩田 豊人  秋田大学, 医学系研究科, 助教 (00321894)

研究分担者 前田 恵理  秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (30778395)
村田 勝敬  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80157776) [辞退]
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードマンガン / 手のふるえ / 鋳造 / 溶接
研究実績の概要

マンガンは生存に必須である一方で、過剰曝露により手指の強直などを始めとする神経系への有害影響を引き起こすことが知られている。近年国際的な基準値の見直しがおこなわれ(粒径4 μm未満の吸入性粉じんへの慢性曝露についてEPA 2011ではRfC 5x10^-5 mg/m^3、ACGIH 2013 ではTLV-TWA 2x10^-5 mg/m^3)、わが国でも作業環境の評価に用いられる管理濃度がマンガンとして2x10^-1 mg/m^3であったところから令和3年より5x10^-2 mg/m^3に改訂された(EPAでは有害影響が認められた曝露レベルに不確実係数1000が掛けられたが、日本では吸入性粉じんの重量割合の低いことがこれに対応していると考えられる)。このような決定の妥当性についても有害影響がどのレベルから現れるかの証拠に照らして検討できるように、マンガン作業者と対照作業者を対象としてマンガン血中濃度と手のふるえ強度との関連を検討する計画であった。
神経運動機能への影響は重心動揺と手のふるえをセンサーで定量化し周波数解析をおこなう方法(CATSYS2000)を用いている。手のふるえ周波数はマンガン気中濃度が高かった地域住民で高くなっていた(Bowler et al. 2016)、マンガン作業者では高い周波数領域のパワーが減少していた(Beuter et al. 2004)などこれまで互いに矛盾する結果が報告されている中でマンガン作業に特徴的な性質を確認できるかに注目された。
本年度は1事業所の協力が得られて対照を含め19名についてデータを取得できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症流行がはじまり、製造業では生産に関わる者(健診機関など法令で定められた者も含む)以外の外部の人間の入場を制限して感染機会の低減を図るようになった。本研究では手のふるえと重心動揺の測定、作業歴生活歴の聴取りをおこなうのに一人の測定者が外部より来訪するため、事業所から研究協力をいただく事が困難になった。

今後の研究の推進方策

測定者がコロナウイルスワクチン接種を完了した段階でマンガン作業をおこなう事業所に依頼を再開して、研究対象者の追加をはかる。
研究計画では採血を定期健診・特殊健診での採血時にあわせておこなうことになっているため、この日程の調整ができない場合にも今年度のデータ取得は不可能になる。その場合には、取得できたデータのみについて結果を論文化し、公開データなどの形で利用できるようにする。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症流行のため、マンガン作業者を含む従業員の研究協力を事業所に依頼できなくなったため、研究中断を余儀なくされた。
検査担当者のワクチン接種が完了した時点で研究続行を図る。

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公開日: 2021-12-27  

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