研究課題/領域番号 |
18K10105
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
伊賀瀬 道也 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (90314955)
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研究分担者 |
越智 雅之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80648171)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | MCI screen / AGEs |
研究実績の概要 |
MCIscreenは以下の検査からなる 1 即時自由再生・・10単語を復唱しながら覚え、すぐに思い出して正答率、シリアルポジションエフェクト、単語の重複・造作など,再生パターンやその変動を評価する×3回実施する。注意力、集中力、ワーキングメモリ、情報処理スピード、理解力ワーキングメモリ(作業記憶,作動記憶)をチェックする。評価は作業記憶,作動記憶は、短時間(数十秒から数分)に情報を保持し,同時に情報を処理する機能。会話や読み書き,計算などの基礎となる。 2 判断・洞察・・上記テスト後、遅延自由再生の際、何問正解できるかを答えてもらい、その正確度を評価する。判断力、記憶力低下の自覚、情報処理スピード 判断力や自身の記憶力に関する洞察力をチェックする。 3 遅延自由再生・・ 2-3分後、即時自由再生と同じ10単語を遅延自由再生するもので短期記憶、過誤記憶、情報処理スピード、短期記憶をチェックする。数分から数週間程度の期間で情報を保持し、最近の会話、場所や時間の把握といった日常生活に欠かせない機能を保っている。脳に情報を保持し、それを取り出す機能をチェックする。 4 遅延手がかり再生・・遅延自由再生後20の単語(10単語は実際出題された単語、その他10単語は出題されていない)が示され、実際出題された10単語かどうかを回答してその正誤を評価する。数分から数週間程度の期間で情報を保持し、最近の会話や、場所や時間の把握、といった日常生活に欠かせない機能を保っている。脳に情報は保持しているが遅延自由再生では取り出せない場合も、脳が保持情報として単語を認識できるかどうかチェックする。 5 遅延自由再生・・ 9種類の動物を思い出してもらい、その正答率を評価するもので短期記憶、過誤記憶、情報処理スピード、短期記憶をチェックする。日常生活に欠かせない機能を保っている。遅延自由再生と同様の機能を見ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
愛媛大学抗加齢予防医療センターにおける抗加齢ドックにおいてMCI screenおよびAGEsの測定を行っている。以下のような形で研究は順調に進めている。 背景:終末糖化産物(AGE)の蓄積は、認知症、特にアルツハイマー病の病因に関与していると考えられる。組織のAGE蓄積は、皮膚の自家蛍光(SAF)の比較的単純な非侵襲的測定を使用して推定でき、これは、一部のAGEの蛍光特性に基づく方法である。ただし、軽度認知障害(MCI)における組織のAGE蓄積の関与の可能性は十分に調査されていない。 目的:そこで本研究ではSAFによって推定された組織のAGE蓄積が軽度認知障害と関連しているかどうかを調査する。 方法:まずは226人の地域在住の被験者を分析した。いくつかのアテローム性動脈硬化症関連の臨床パラメーターに加えて、MCIスクリーニング検査、脳萎縮の評価、およびSAFが40歳以上の人々に対して実施された。 MCIは、MCIスクリーニング法の日本語版を使用して評価された。脳の萎縮は、脳MRIによって側頭角領域(THA)を調べることによって評価された。 結果:途中経過としての結果でSAFは、MCIの参加者の方が、正常な認知機能の参加者よりも有意に高かった(2.56±0.55対2.10±0.41; p <0.001)。年齢やTHAなどの交絡因子を調整したロジスティック回帰分析では、2.27を超える高いSAFがMCIの存在と有意に関連していることが示された(オッズ、6.402; 95%CI、1.590-25.773、p = 0.009)。 結論:ここまでの結論として健康な被験者において、脳萎縮とは独立したSAFとMCIの間に関連性があることが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後もこれまで同様に愛媛大学抗加齢予防医療センターにおける抗加齢ドックにおいてMCI screenおよびAGEsの測定を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルs感染症のため
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