食塩摂取量、血圧、要支援・要介護の関連を検討し、介護予防の観点からの減塩を含めた高血圧対策の必要性を明らかにすることが重要である。2018年度~2019年度には、町の保健事業を手伝いつつ、探索的に研究計画をブラッシュアップしながら、町との研究を本稼働する準備を進めていた。壬生町の事業データの研究利用および新たな尿中ナトリウム検査等の実施を予定してきたが、2020年度以降の新型コロナウイルス感染症の影響などにより、新たな尿中ナトリウム検査等の実施および事業データの研究利用についての調整が頓挫した。 2022年度に、新たなフィールド開発を行おうとしたものの、新型コロナウイルスの流行などにより、困難であった。そのため、エコロジカルスタディーを実施することとした。2016年の国民健康・栄養調査結果および2019年の介護保険事業状況報告から都道府県別のデータを収集した。収集した項目は、国民健康・栄養調査結果からは食塩摂取量の平均値(20歳以上、性・都道府県別、年齢調整値)、現在習慣的に喫煙している者の割合(20歳以上、男性、都道府県別、年齢調整値)、歩数の平均値(20-64歳、性・都道府県別、年齢調整値)および野菜類摂取量の平均値(20歳以上、性・都道府県別、年齢調整値)、介護保険事業状況報告からは被保険者数および要介護(要支援)認定者数とした。これらのデータについて都道府県を単位としてレコードリンケージを行い、要介護2以上の認定率と食塩摂取量などとの関連をロジスティック回帰分析などにより検討した。
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