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2018 年度 実施状況報告書

ミャンマーにおける2型糖尿病の地域特異的リスク要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K10110
研究機関順天堂大学

研究代表者

湯浅 資之  順天堂大学, 国際教養学部, 教授 (30463748)

研究分担者 横川 博英  順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (00328428)
白山 芳久  順天堂大学, 国際教養学部, 助教 (30451769)
田村 好史  順天堂大学, 国際教養学部, 教授 (80420834)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード非感染性疾患 / 糖尿病 / 疫学調査 / ミャンマー / タイ
研究実績の概要

世界保健機関の実施したSTEP調査結果を利用して、我々はミャンマーの糖尿病有病率(10.5%)が他のアジア諸国に比べて著しいことを突き止めた。そこで本研究は、ミャンマーにおける糖尿病有病率が隣国タイ(6.7%)に比べ高い理由を解明すると同時に、ミャンマー国内の糖尿病有病率の地域間格差が著しく大きい理由を究明するために、ミャンマー国のヤンゴン(有病率18.2%)とネピドー(同4.2%)及びタイ国のチェンマイにおける糖尿病新規患者と非患者の食習慣と身体運動習慣を質問票による比較調査を実施するものである。
両国の倫理審査承認の遅延から、2018年度にデータ収集が完了したのはミャンマー国のヤンゴン地区のみであった。現時点では、患者の属性のみの分析が終了した。患者150人(男性47人、女性103名)と非患者150人(男性67名、女性83名)の平均年齢は患者群で55.1歳(標準偏差10.9)、非患者群で43.3歳(同14.8)であった。研究対象者に持参してもらった料理のサンプリングの塩分量を測定したところ、患者群では1.57g%、非患者群では1.65g%であり、両者に統計的有意差は認められなかった(p=0.25)。なお、推奨されている塩分量は0.5 g%であることから考えると、著しい塩分摂取であることが判明した。同様に糖分量を測定したところ患者群では3.43 glucose mg%、非患者群では3.61であり、両者に統計的有意差は認められなかった(p=0.38)。一方、BMIを測定したところ、患者群で26.8、非患者群で24.9であり、患者群で有意にBMIが高かった(p=0.01)。これを男女別でみてみると、男性の患者では24.5、非患者では24.5と有意差は認めなかったが(p=0.57)、女性では患者群で27.8、非患者では25.3と統計的有意差を認めた(p=0.017)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2018年度大半はミャンマー国とタイ国の研究倫理審査の承認に向けた資料の作成に費やされた。本研究の日本での倫理審査承認は容易に得られたが、両国の倫理審査は膨大な書類の提出が必要であり、さらにミャンマー語とタイ語へ翻訳した資料の提出を要求されたので、その準備に想定以上の時間がかかってしまった。当初はミャンマー国内の比較対象地域はヤンゴンとそこに隣接するバゴー(有病率6.3%;ヤンゴンから近距離にある利便性を重視して選定)での実施を想定していたが、共同研究者であるミャンマー糖尿病協会のLatt理事長の強い意向から首都であるネピドーに地域を変えて実施することになった。ヤンゴンとの比較においてはバゴーよりもネピドーとの差の方が大きいことから、ネピドーとの比較には意味があると考えられる。

今後の研究の推進方策

まだ最終的承認が得られていないタイ国の倫理審査を通過させ、タイ国チェンマイでの調査を早急に開始する予定である。同時にミャンマー国ネピドー地区の対象病院の調整を終了し、ネピドーでのデータ収集を開始させる予定である。

次年度使用額が生じた理由

ミャンマーとタイにおける倫理審査承認手続きが遅延しているため、データ収集が遅れているため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (2件)

  • [国際共同研究] ミャンマー糖尿病協会/ヤンゴン第2医科大学(ミャンマー)

    • 国名
      ミャンマー
    • 外国機関名
      ミャンマー糖尿病協会/ヤンゴン第2医科大学
  • [国際共同研究] チェンマイラチャパット大学(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      チェンマイラチャパット大学

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公開日: 2019-12-27  

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