研究課題/領域番号 |
18K10111
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
西村 理明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20343535)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 小児 / インスリン抵抗性指数 / 脂肪肝指数 |
研究実績の概要 |
本研究は、新潟県中魚沼郡津南町という人口の移動の少ない農村で、かつ、日本の主食である米「こしひかり」の生産地において行われる。この町の男女ともに、新潟県内では長寿であることは有名であり、全国的に見ても長寿であることから、この町の住民のライフスタイルが健康に好ましい影響を与えている可能性が考えられる。しかしながら、近年ライフスタイルが急速に変化しており、脂肪肝もしくはインスリン抵抗性を持つ児童の実態を明らかにすることは、公衆衛生学的観点から極めて重要である。 津南町には中学校が1校あり、各学年の生徒数は約100人であるが、この中で成人に最も近い年齢層である中学3年生を対象として、健康診断時に、身長・体重の測定をおこないさ、さらに同意を得られた児童を対象に、腹囲測定ならびにかに脂肪測定器を用いて腹腔内脂肪面積測定を行う。さらに、空腹時採血を行うことにより、空腹時のインスリン値、血糖値から、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-R指数を求める。さらに、AST,ALT,γGTP,空腹時中性脂肪も測定し、脂肪肝指数を求める数式を用いて、脂肪肝指数60以上を脂肪肝ありと診断する。 以上のデータ間の関連を詳細に検討し、インスリン抵抗性の頻度、脂肪肝の頻度、両者の関係、ならびにそれぞれに関係するリスク因子について解析することを目的とした。 2018年度の健康診断は4月に行われたため、今年度は、血液測定が行えなかった。本年度は、町長との面談、教育委員会との繰り返しの打ち合わせ、津南町における健康増進活動を行い、2019年度からの採血開始に向けての準備を行った。2019年春には採血が行える見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2018年度の健康診断は4月に行われたため、そこに本研究で必要な項目を追加することは、科研費交付決定よりも前に手続きが必要であったため、今年度は、血液測定が行えなかった。2018年度は、津南町長との面談、津南町教育委員会との繰り返しの打ち合わせ、津南町における健康増進活動ならびに中学生、町民を対象とした講演会を行い、2019年度からの採血開始に向けての準備を行った。2019年春には、インスリン抵抗性指数、脂肪肝指数を求めるための採血が行える見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は、津南町長との面談、津南町教育委員会との繰り返しの打ち合わせ、津南町における健康増進活動ならびに中学生、町民を対象とした講演会を行い、インスリン抵抗性のみならず、脂肪肝ならびに脂肪肝を簡単に予測しうる脂肪肝指数についての児童、町民の知識の普及に尽力した。 以上により、肝機能につき採血項目を追加することの理解が得られたため、2019年度からの採血項目増加に向けての説明文書作成等の準備を行った。2019年春には、インスリン抵抗性指数、脂肪肝指数を求めるための採血が行える見込みである。 しかしながら、脂肪肝指数を求めるためには、腹囲の測定が必須である。体脂肪計から推定される、推定腹囲を使用するか、実際測定した腹囲を使用できるかについて、現在協議中である。 すでに、10年前から、児童の腹囲測定に関して保護者からの根強い反対があるため、話し合いにて最善の解決策を見つけていくことを根底に、2019年度も可能な限り、研究を前進そして進展させていく所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度の健康診断は4月に行われたため、そこに本研究で必要な項目を追加することは、科研費交付決定よりも前に手続きが必要であったため、今年度は、血液測定が行えなかった。2018年度は、津南町長との面談、津南町教育委員会との繰り返しの打ち合わせ、津南町における健康増進活動ならびに中学生、町民を対象とした講演会を行い、2019年度からの採血開始に向けての準備を行った。2019年春には、インスリン抵抗性指数、脂肪肝指数を求めるための採血が行える見込みである。
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