研究課題/領域番号 |
18K10113
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
大塚 俊昭 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80339374)
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研究分担者 |
川田 智之 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00224791)
小谷 英太郎 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10287708)
加藤 活人 日本医科大学, 医学部, 助教 (40409157)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心筋トロポニン / 糖尿病 / 予後 / 臨床疫学 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本最大級のバイオバンクであるバイオバンクジャパン(以下BBJ)へ登録されている症例から2型糖尿病を抽出し、保存血清の提供を受け、対象患者の予後予測因子としての心筋バイオマーカーの有用性を明らかにする研究である。 初年度はまずBBJ事務局と各種交渉および臨床情報・保存血清提供のための各種手続きを行い、その後これら資料の提供を受けた。 続けて、対象症例(n=2387)の保存血清を利用し高感度トロポニンT(hs-cTnT)の測定を行い、臨床情報における死亡情報と突合し、その予後予測能について検討を行った。対象患者をhs-cTnT 14 ng/Lで2群に分割し、予後との関連性をkaplan-Meier曲線にて検討したところ、全死亡、心血管死亡の両アウトカムについてhs-cTnT高値群において有意に高い死亡率を認めた(Log-rank検定にてともにp<0.001)。 本年度の検討にて、2型糖尿病におけるhs-cTnT値は予後予測マーカーとして有用である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度は血清を用いたバイオマーカーの測定が完了するまでを当初の予定としていたが、検査協力会社の対応が良好であり分析が想定以上に早期に完了したため、これらを用いた分析を一部行うことができた点で、当初の計画以上に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2年度は、初年度に行った分析を更に深掘りし、各種層別解析などを注意深く行った上で学会発表を行う予定とする。これと並行し論文作成に取りかかり、英文医学雑誌への投稿へ向けて準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究資金の大部分は血清試料の検体測定費用を想定していたものの、試料の一部が想定より少量のため検査不可能となったため、測定件数および測定費用が想定より減少し次年度使用額が生じることとなった。
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