研究課題/領域番号 |
18K10122
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
財津 桂 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30700546)
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研究分担者 |
林 由美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (30632707)
井口 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50547502)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | リアルタイム・メタボローム解析 / バイオインフォマティクス / in vivo リアルタイム計測 / アンビエントイオン化質量分析 / ベイズ統計モデリング / PiTMaP |
研究実績の概要 |
本年度は代表者・財津が開発したin vivoリアルタイム・メタボローム解析法の技術改良を進めると同時に改良した技術を用いた時系列データ解析手法の構築ならびにそれらの応用展開を行った。データ解析手法については、研究分担者・井口(産総研)と共に前年度より取り組んできた統計解析言語Rによるデータパイプラインを組み込んだ新規プラットフォーム: PiTMaPの開発に成功した。さらに、PiTMaPを多変量データに適用し、実用性があることも実証し。論文発表を行った(Zaitsu, Iguchi et al. Anal Chem 2020)。さらに、本手法のGUI開発にも乗り出し、名古屋大学ITbM・高橋一誠 特任助教の協力を得て、webアプリのプロトタイプ開発にも成功した。さらに、研究分担者・井口と共に、前年度から取り組んできたベイズ統計モデリングを基に、時系列データ解析の手法を新たに開発した。新たに開発した手法では、状態空間モデルを用いて、データ内の自己相関を考慮し、基準データを用いた信用区間の算出が可能となり、状態空間モデルによる新しいアプローチを提示することにも成功した。 また一方で、前年度から取り組んできたリアルタイム質量分析の最適化をさらに進め、研究分担者・林の協力のもと、対象成分数を40成分まで拡張することに成功した。特に、前年度よりもサンプル採取とイオン化を行う探針の駆動周期と質量分析計の取り込み時間を改良し、取りこぼしが生じない分析条件を見出すことに成功した。本法を実際に生きたマウスのデータ採取に適用した結果、生きたマウスのリアルタイム計測を行う事が出来た。また、肝障害誘引化合物をマウスに投与し、実際に生きたマウスのリアルタイム・メタボローム解析を行った結果、肝障害誘引化合物を投与した直後に代謝物がリアルタイムに変動する結果が観察され、本手法の実用性を確認することができた。
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