研究課題/領域番号 |
18K10125
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片田 竜一 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (00423757)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脳浮腫 / アストロサイト / アルコール / 脳梗塞 / 脳卒中 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き中大脳動脈閉塞後再灌流(脳梗塞)モデルラット、及び初代培養ラットアストロサイト等を使用して、酸素グルコース欠乏(OGD)環境におけるアクアポリン4発現に及ぼす炎症の関与を検討する予定であった。脳動脈閉塞後再灌流により、経時的にアクアポリン4の発現が増大し、脳浮腫の程度も増大した。脳梗塞巣に集積することが知られている常在性のマイクログリア由来マクロファージ及び骨髄由来の浸潤性マクロファージの関与を検討するため、種々の炎症性サイトカインを測定し、IL1α、Inf、C1qaが増大した。また、 初代培養アストロサイトに対し、IL1α及びTNFを添加するとアクアポリン4が増大し、それぞれのアンタゴニストを添加すると抑制が認められた。以上の結果から、脳梗塞巣に集積するマクロファージのIL1α等の炎症性サイトカイン産生により、アストロサイトに発現するアクアポリン4の増大から浮腫が悪化する機序が明らかになった。本年度は、虚血脳のアクアポリン4増大がどのように脳浮腫に関与するか、そしてアルコールがどのように関与するのか、さらに詳細にその機序を明らかにする予定であった。しかしながら、新型コロナウイルスの影響により、実験の遂行に遅延が生じたことから、本年度予定していた研究については来年度に引き続き実行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により特に細胞培養実験に支障が生じたため、研究が予定より遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
脳梗塞によりアクアポリン4増大から脳浮腫が悪化する機序に、脳梗塞巣に集積するマクロファージとそこから産生される炎症性サイトカインの関与が明らかとなった。来年度はそれらの機序にアルコールがどのように関与するのか、その解明を目指す。国際学会での発表はもちろんのこと、論文発表も積極的に行っていく予定であるが、国際学会の発表については社会情勢の推移により断念せざるを得ない可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により研究が予定より遅延したため。
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