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2019 年度 実施状況報告書

エタノール暴露により発現量が変化するマイクロRNAを指標とした飲酒時期推定の試み

研究課題

研究課題/領域番号 18K10128
研究機関高知大学

研究代表者

中西 祥徳  高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (10217763)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードマイクロRNA / アルコール / 飲酒証明
研究実績の概要

「方法」 5週齢の雄性C57BL/6マウスにEtOH 1 g/kg(EtOH群)又は生理食塩水(対照群)を1回腹腔内投与し、その15分後、1時間後、2時間後および5時間後(各n=3)に脳下垂体、顎下腺、肺、肝臓、腎臓、副腎および脾臓をそれぞれ採取し、これら試料につきmiR-9、miR-15b、miR-21およびmiR-335をターゲットとしてTaqman MicroRNA AssayによるリアルタイムPCRを行い、U6で補正後、EtOH群の各臓器中miR発現量を対照群と比較した。
「結果」脳下垂体では、miR-9の発現量はEtOH投与の15分後に対照群の約1.7倍を示し、その後減少し5時間後には対照群の約24%まで著しく減少した。顎下腺では、miR-15bおよびmiR-335の発現量はEtOH投与の15分後までは対照群よりも低下していた。肺では、miR-9発現量はEtOH投与の15分後から1時間後にかけて対照群の約3.2倍程度まで増加したが、EtOH投与の5時間後には対照群の約20%まで著しく減少した。肝臓では、miR-9はEtOH投与の2時間後まで発現量の増加傾向を示した後、5時間後には著しく減少した。miR-335はEtOH投与の1時間後までは発現量が対照群よりも低く、その後増加した。副腎では、miR-9発現量はEtOH投与の1時間後に約1.6倍まで増加した後、2時間および5時間後に対照群の約40%以下まで著しく減少した。腎臓および脾臓では、他の臓器に比してmiRの発現量変動は乏しかった。
「まとめ」 miR-9、miR-15b、miR-21およびmiR-335は、EtOH曝露により各臓器ごとでそれぞれ異なる反応性を示し、複数のmiRの発現パターンから、飲酒の有無や飲酒後の経過時間を推定できる可能性があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ対策による業務自粛のため、動物の購入ができなかった。

今後の研究の推進方策

実際の飲酒態様を考慮すると、高濃度EtOH(3 g/kg)投与や慢性EtOH(24時間毎EtOH投与5日間など)投与の影響についても検討する必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] microRNAを指標としたエタノール摂取時期推定に向けた基礎的検討2020

    • 著者名/発表者名
      中西祥徳、道家章斗、西村拡起、古宮淳一
    • 雑誌名

      DNA多型 Vol.28

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] microRNAを指標としたエタノール摂取時期推定に向けた基礎的検討2019

    • 著者名/発表者名
      中西祥徳、道家章斗、西村拡起、古宮淳一
    • 学会等名
      日本DNA多型学会第28回学術集会
  • [学会発表] エタノール投与によるマウス臓器中microRNA発現量の経時的変化2019

    • 著者名/発表者名
      中西祥徳、道家章斗、西村拡起、古宮淳一
    • 学会等名
      第103次日本法医学会学術全国集会

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公開日: 2021-01-27  

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