研究課題/領域番号 |
18K10130
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西谷 陽子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (30359997)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アルコール / 日内変動 / コラーゲンゲル培地 |
研究実績の概要 |
われわれは今まで初代培養肝細胞を用いてのアルコールによる細胞内情報伝達系の変化を検討して来た。その中でアルコール脱水素酵素ADHで消費する補酵素NADに依存性の脱アセチル化を行うsirtuinは影響を受ける可能性が指摘されており、それに伴う脂質代謝制御の異常や概日リズムへの影響も指摘されている。これらの検討するうえで、今までの初代培養肝細胞では軽微な変化はあるものの明確な変化までは確認できず、より生体に近い状態で細胞を培養する必要があり、まずコラーゲンサンドイッチ法による培養方法の検討を行った。細胞自体は、従来のコラーゲンプレートによる細胞培養と比較すると細胞間の接着が良く、肝細胞本来の正常が残っている可能性がある。また、従来のコラーゲンプレートに比較して1週間程度経過しても形態的な観察では細胞の状況は良く、1週間程度の長期の培養にも耐えうると判断した。一方で、細胞の死滅状態が通常でのトリパンブルー染色ではコラーゲンゲル全体の染色がされる事から判断しづらく、培地中のASTやALTで評価を検討する必要があり、また、ゲルの厚みやコストパフォーマンスを考慮したmRNA抽出方法を検討する必要がある。また、コラーゲンゲルへのエタノールがどれくらい浸透速度や状況についても検討を実施しているところである。今後コラーゲンゲルを用いた培養で概日リズムを同調を試み、その確認をmRNAの発現状況で確認した上でアルコールの影響を見る予定である。現在準備に手間を取っている段階である。細胞の状態をより把握するために倒立型顕微鏡のレンズの交換を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コラーゲンゲル培地の取り扱いについての検討段階にて、集中した時間をとる必要があるが、昨年度は学内会議等のための十分な時間を割くことができなかった。研究室内の他の研究者の育成が進んできており、今後は比較的時間をさける予定である。
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今後の研究の推進方策 |
従来の方法であるmRNAを定量的RT-PCRで実施する一方で、現在生まれている様々な新規の手法を試みる予定である。特に本機関が保有するシンプルウェスタンなどの手法は積極的に取り組みたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の遂行が遅れているため使用額が次年度へと持ちこちになっている。実験を進めるために必要なものであり、遅れている分も含めて実験計画を遂行する予定である。
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