研究課題/領域番号 |
18K10139
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40289765)
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研究分担者 |
石井 範子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (10222944) [辞退]
長谷部 真木子 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (60241676)
工藤 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (20323157)
杉山 令子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (80312718)
菊地 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40331285)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 看護職 / 職業性アレルギー / 健康管理 |
研究実績の概要 |
1)看護職の職業性アレルギー 一次予防のための健康管理指針(案)作成 2018年に実施した看護管理者と看護師の調査結果、および国内外の文献検討から、職業性アレルギーの理解に必要な項目の抽出、看護職の職業性アレルギーの報告例を抽出した。指針(案)はA.職業性アレルギーの基本的な知識、B.看護職に多い職業性アレルギー疾患、C.看護職における特定のアレルゲンによる職業性アレルギー、D.手湿疹と手のスキンケア、E.職業性アレルギーに対する健康管理から構成し、A~Cについては、研究報告例などを示しながら解説した。 2)指針(案)の内容の理解と活用可能性の調査 対象は調査に同意を得た80病院で看護職の健康管理に責任のある看護職とした。調査期間は2020年1月15日~2月末日であった。回答は30施設から得られた(有効回答率:37.5%)。回答者の職位は看護副部長・副局長が40%で最も多く、平均年齢は54.7歳であった。指針(案)で示した、職業性アレルギーの基本的知識、看護職に多い職業性アレルギー、職業性アレルギーのメカニズム、手湿疹とスキンケアの項目は、理解できた、だいたい理解できたを合わせると100%であった。内容は難易度としも妥当であったと考えられる。実践への導入では、アレルギー症状の自己チェック、職場の健康診断にとり入れる、予防や悪化防止のための健康教育は80~90%の施設で取り入れたいという回答であったが、取り入れたいができそうにない施設も10%程度あった。理由は費用の調整が難しいなどであった。また作業管理や作業環境管理も約90%が理解できたとの回答であった。実施できそうにないが10%程度あった。理由は他職種を巻き込んだ取り組みが難しいなどであった。以上から、指針(案)は概ね理解でき活用可能性も高いことが分かった。現在、アレルギー治療における専門家による意見を得て内容を修正中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健康管理指針(案)作成までは順調に進んだが、指針案の評価のための調査は2020年1月~2月に行った。COVID-19感染拡大の影響もあり、回答数が2月に入って激減し回答率が低かった。
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今後の研究の推進方策 |
現在アレルギー治療の専門家の意見を得て、内容をさらに洗練するために修正中である。指針(案)の理解や活用性に関する調査結果を学術集会、論文として公表する。また修正した指針(案)を調査協力施設に送付し、報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査依頼で同意を得られた施設が予測よりも少なく、調査費用が予定より少なくなったこと、また専門家の意見聴取のために研究者3名が訪問する予定であったが、日程調整により、訪問人数が2人に減じたことにより、次年度へ経費を残すことにした。残った費用については、次年度に計画している2018年度に行った看護師を対象とした職業性アレルギーの調査結果の論文投稿、2019年に行った健康管理指針(案)の理解、活用に関する調査結果を公表するための旅費・報告書の印刷・発送として使用する計画である。
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