研究課題
本研究の目的は病院で働く看護職のアレルギーの実態や職業性アレルギーに対する認識やリスク要因の認知、組織的な予防対策の現状を明らかにすること、その結果をもとに看護師の職業性アレルギーの一予防を充実させるための健康管理の指針(案)を開発する事であった。看護職のアレルギーの状況や職場の健康管理状況についての調査結果では、6割の看護職に何らかのアレルギーがあった。またゴム製品アレルギーや薬剤アレルギー、洗剤・石鹸アレルギーは看護職になってから発症した割合が高かった。さらに看護職になってからアレルギー症状が強くなった看護職は3割以上であった。しかし職場での健康診断や職業性アレルギーを予防、低減するための職場の健康教育や作業管理、作業健康管理は十分ではないことが明らかになった。また職業性アレルギーについて詳しく知らない対象者は半数以上を占め、職業的アレルギーに対するガイドラインや指針に必要性が明らかになった。この調査結果をうけて「看護職の職業性アレルギー 一次予防のための健康管理」も指針(案)を作成し、内容妥当性との活用可能性を検討するため調査を実施した。指針(案)の内容、理解しやすさとも妥当との評価であった。しかし、実践への導入には、費用の捻出や他職種を巻き込んだ作業管理や作業環境管理への取り組みが難しいなどの課題があることが明らかになった。最終年度では、これらの研究成果について学術雑誌へ論文を投稿し採択された。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
産業衛生学雑誌
巻: 65 ページ: 1-9
10.1539/sangyoeisei.2022-003-E
日本看護研究学会雑誌
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