研究課題/領域番号 |
18K10142
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大貝 和裕 金沢大学, 医薬保健研究域附属AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター, 准教授 (40706983)
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研究分担者 |
須釜 淳子 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00203307)
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 褥瘡 / 再発 / スキンブロッティング / プロテオミクス / タンパク質 / 予防 |
研究実績の概要 |
現代日本の抱える課題の一つである「高齢化」が進行し、在宅介護等が増えると顕在化する問題の一つに褥瘡(いわゆる床ずれ)がある。褥瘡は痛みを伴う皮膚創傷であり、生活の質を低下させる。さらに感染症を起こしやすくなり、菌血症を起こせば命を脅かすことにもなりかねない。看護・介護をする側にとっても、創部の洗浄、治療、感染予防などに時間と費用が費やされ、労力と介護費は増大する。このため、可能な限り褥瘡を予防することが強く望まれる。本研究では、皮膚内部のタンパク質を非侵襲的に分析できるスキンブロッティング法に着目し、褥瘡を予測しうるタンパク質を検索して、バイオマーカーとしての「褥瘡予測タンパク質」を発見することであった。 当初計画では褥瘡を発症する前の方をリクルートし、前向きに追跡することで褥瘡発症とタンパク質の関連を探るものであった。ところが、褥瘡を新たに発症する方の人数が想定を下回った。そのため、既に褥瘡を発症した方で、治癒後、再度褥瘡を発症する再発に注目した。それでも再発例は7例に留まり、さしあたりそのサンプルを分析することとした。 最終年度ではそのタンパク質の分析として、電気泳動によるパターン分析と、サンプル中にあるタンパク質を一斉に解析できるプロテオーム解析を実施予定であった。まず、これら方法の確立し、タンパク質を一斉に解析する方法については確立できた(論文化には至っていない)。この方法を用いて分析を行う予定であったところ、COVID-19の流行により実験自体が一時停止してしまった。その後、電気泳動によるバンドパターン比較により再発する人としない人のパターン差異を見いだすことには成功したものの、そのタンパク質の詳細については現在も分析中である。 総じて、当初計画に比して思わしい進捗ではなかったものの、褥瘡再発者と非再発者の皮膚内部タンパク質に差があることを見いだすに至った。
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