研究課題/領域番号 |
18K10146
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
坂下 恵美子 宮崎大学, 医学部, 助教 (70511195)
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研究分担者 |
大川 百合子 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60270055)
西田 佳世 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (60325412)
久保 江里 宮崎大学, 医学部, 助教 (60825355) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 新人看護師 / 中堅看護師 / 看取り / 終末期がん患者 / OJT / 支援 |
研究実績の概要 |
先行研究において新人研修責任者に実施した質問紙調査で、約8割の回答者が新人への看取り教育は必要としながらも新人研修で取り組めていないと回答した。さらに、看取り経験のある新人看護師と新人が信頼する中堅看護師に面接調査を行った結果、新人が看取り経験で抱えた悩みを経験直後に振り返り、解決の糸口を模索できるような指導・支援の方法が必要と考えられた。また、新人が信頼する中堅看護師の姿勢や行為が新人には心強さや安心感に繋がっていると推察できた。このことから、本研究は新人看護師が終末期がん患者の命に寄り添う力を育む看取りOJT(On the Job Training:職場内教育)支援プログラムの開発をめざす。まず、新人指導の役割を担う中堅看護師に焦点を当てて、臨床現場で看取り教育に関する効果的指導方法を検討するために、第1段階は中堅看護師の新人教育及び看取り教育への困難要因を解明する。第2段階は熟練中堅看護師が看取りの場面で実践する新人への教育・支援の実態を解明する。 平成30年度は、まず文献検討を行った。OJTにおける新人の看取り教育に関する研究は殆どなく、中堅看護師の新人支援や新人教育に関する取り組みも非常に少ない結果であったが、中堅看護師による新人看護師への支援の在り方が新人の臨床実践能力に影響を与えることの示唆を得た。文献検討および先行研究や看取りにかかわる看護師の困難やターミナルケアに関する尺度等を洗練しながら中堅看護師への自記式質問紙を作成した。この質問紙は経験15年以上の臨床の看護師4名にプレテストを行い、質問項目をⅠ~Ⅴ項目に整理した。質問紙調査を行う病院の規模は毎年の新人看護師の入職者数が複数名見込まれる病床数200床以上の一般病院とした。令和元年度に自記式質問紙調査および面接調査を実施するために3月に倫理申請書の提出を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は当初の計画どおり、文献検討を行い、自記式質問紙の質問項目の検討を研究分担者と行った。質問紙はのプレテストを終了し、倫理審査委員会の承認を待っている。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、第1段階の質問紙調査を実施後、第2段階の面接調査を実施する。質問紙調査は対象施設のリストアップを行い、事前に施設の看護部長より対象病棟の中堅看護師数を把握し、質問紙を配布する。質問紙調査の終了後、面接調査を開始する。面接調査の対象者は新人看護師の推薦を受けた熟練中堅看護師であり、県内の施設の新人看護師を対象に研究対象者の情報把握のための事前調査を実施し、熟練中堅看護師への面接を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度は、中国、四国、九州・沖縄の地域の200床以上の一般病院の中堅看護師を対象にした質問紙調査を実施し、その後面接調査を開始する。このため、郵送費用や面接調査のための旅費や会議場等が必要である。質問紙調査はSPSSを用いて分析を行うため、最新バージョンのSPSSを購入する予定である。令和元年度は学会発表も予定している。
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