研究課題/領域番号 |
18K10147
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
檜山 明子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (70458149)
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研究分担者 |
中村 恵子 札幌市立大学, 看護学部, 特任教授 (70255412)
佐藤 秀一 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (80315556)
高橋 葉子 札幌市立大学, 看護学部, 助手 (80811645)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 転倒リスク / リスクアセスメント / 身体認識 |
研究実績の概要 |
2019年度は,調査に基づき,転倒に関連する身体認識の誤差測定方法を検討した.若年者30名(平均年齢19.9歳,標準偏差0.6),高齢者34名(平均年齢73.1歳,標準偏差4.4)を対象として,身体計測,運動機能テスト(Timed Up and Go Test,歩行速度,Functional Reach Test,長座位前屈距離,簡易運動機能検査),身体認識テスト(座位下方前方リーチ距離,臥位下肢挙上距離,臥位上肢挙上距離)および転倒経験の確認を行った. 座位下方前方リーチ距離の認識誤差平均値は-2cm(標準偏差7.4),臥位下肢挙上距離の認識誤差平均値は-16.7cm(標準偏差8.8),臥位による上肢挙上距離の認識誤差平均値は-3.7cm(標準偏差10.1)であった.若年者と高齢者間では,座位下方前方リーチ距離の認識誤差平均値は若年者-2.8cm(標準偏差6.3),高齢者-0.7cm(標準偏差8.9)であった(P=0.19).臥位下肢挙上距離の認識誤差平均値は若年者-16.9cm(標準偏差8.0),高齢者-16.1cm(標準偏差10.1)であった(P=0.67),臥位による上肢挙上距離の認識誤差平均値は若年者-5.8cm(標準偏差7.3),高齢者-0.1cm(標準偏差12.9)であった(P=0.04,95%CI: -10.6~-0.89). 歩行速度の転倒予測Cut-off値に基づく転倒低リスク群および転倒高リスク群間では上肢挙上距離の認識誤差値に有意な差があった(P=0.001).Functional Reach Test Cut-off値に基づく転倒低リスク群および転倒高リスク群間では座位下方前方リーチ距離の認識誤差値に有意な差があった(P=0.023).今後詳細な分析を行い,転倒に関連する身体認識の誤差測定のCut-off値を決定していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの調査を行い,分析を行っている.順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き詳細な分析を進め,転倒予測精度を高める.また,臨床で看護師が活用することを想定し,ユーザビリティを高めるための検討も行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
データ入力,専門家会議等に予定していた謝金を使用しなかったが,次年度は身体認識誤差測定方法の妥当性を高めるために複数回の専門家会議を予定している.そのための費用に充てる予定である.
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