研究課題/領域番号 |
18K10153
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
丸岡 直子 石川県立看護大学, 看護学部, 特任教授 (10336597)
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研究分担者 |
石川 倫子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80539172)
武山 雅志 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50381695)
林 一美 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (30279905)
林 静子 富山県立大学, 看護学部, 准教授 (30346019)
吉田 千文 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80258988) [辞退]
樋口 キエ子 群馬医療福祉大学, 看護学部, 教授 (60320636)
田村 幸恵 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (20336605)
中嶋 知世 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (60638732)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 在宅療養移行支援 / 退院支援 / 退院調整 / 患者・家族との対話 / 病院看護師 |
研究実績の概要 |
患者・家族との対話を重視する在宅療養移行支援システム強化を図るために必要な支援プログラムを臨床現場の看護師と協働して実施し、その成果を看護師による在宅療養移行支援の実態と意識の変化をとおして明らかにすることを目的に、アクションリサーチの研究手法を用いて研究を進めている。2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止による在宅療養移行支援への影響を反映した内容の検討会を職位毎(看護師長と副看護師長・リーダー主任グループ)に実施した。 看護師長を対象とした検討会は、参加者15名を3グループ編成とし、看護師長としてどのように患者・家族と対話しているのか、看護師の対話スキルの向上に向けて実施していることをテーマとした。発言内容を質的記述的に分析した結果、看護師長は〈患者・家族への関わり方のモデルを示し〉ながら〈看護師が在宅療養移行支援に関わる場をつくる〉ことや〈患者と対話する看護師のバックアップ体制をつくる〉支援を行い、〈看護師の在宅療養移行支援行動と成果を認め〉ていた。看護師長自身も〈家族と接する機会を逃さない〉よう〈患者・家族の言葉を待って深く入り込む〉かかわりを行っていた。 副師長・リーダー主任グループ40名を1グループ6~7名の6グループ編成として検討会を実施した。感染拡大防止の中で、どのように患者・家族と対話しながら在宅療養移行支援を行っているかをテーマとした。発言内容を質的記述的に分析した結果、看護師は携帯電話ヤテレビ会議システムなどの〈通信機器を駆使して患者と家族の交流を図る〉ことや〈家族と話せる機会を逃さ〉ないで〈患者の病状の変化を説明〉し〈患者の退院後の療養生活への意向を伝え〉ていた。看護師は、COVID-19による制約がある中であっても、患者と家族の意向を確認し合いながら退院後の療養生活への意思決定支援を進めていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年9月から地域の急性期病院の研究協力を得てアクションリサーチの手法を用いて、臨床現場と研究者が協働する検討会を実施している。しかし、2020年3月から新型コロナウイルス感染拡大により中断していた。第1波が収まった8月頃から、感染防止対策を講じながら協力病院看護部と連携した検討会の実施方法について検討した。その結果、テレビ会議室システムの活用や3密回避による検討会を2回開催することができた。しかし、協力病院は感染症指定病院であり、新型コロナウィルス感染の第3波によりアクションリサーチによる定期的な検討会の実施は困難な状況が続いているために、研究の進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスのの感染状況およびアクションリサーチ協力病院の医療提供体制や感染防止対策の状況を注視し、協力病院看護部と連携しながら安全にアクションリサーチを行う予定である。2021年度は6~7月に患者・家族との対話を重視した在宅療養移行支援の事例をもとに検討会を行う準備を進めてきたが、県内の感染者急増に伴い延期することになった。感染状況がおさまった頃に実施することを病院看護部と確認している。また、病院看護師を対象とした質問紙調査も実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月以降の新型コロナウイルス感染拡大により、学会開催はすべてWeb開催となり旅費の未執行、アクションリサーチの定期的開催が困難になったための経費および科研会議の会場費や旅費の未執行のため残額が生じた。 2021年度は、新型コロナウイルス感染症の動向をみなが、アクションリサーチを再開する予定であり、検討会の録音データのテープ起し費用、質問紙調査実施のための経費を執行する。また、感染防止を行いながら検討会を実施するための用具(アクリル板など)や視聴覚機器の購入を予定している。さらに、学会が開催地開催となった場合の旅費および科研会議の開催経費を執行する。
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