研究課題/領域番号 |
18K10160
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
野村 陽子 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (90156232)
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研究分担者 |
巴山 玉蓮 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (00389975) [辞退]
田中 幸子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20286371)
勝田 美穂 岐阜協立大学, 経済学部, 教授 (30614078)
石橋 みゆき 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (40375853)
池田 真理 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (70610210)
小山田 恭子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70719252)
西垣 昌和 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20466741)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 看護基礎教育 / 政策教育 / コンピテンシー / デルファイ法 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、看護基礎教育において政策の基本を体系的に学ばせるための教育プログラムを開発することを目的としており、2018年度は、看護に関連した政策に現に取り組んでいる政策企画者等を対象に面接調査を実施し、質的分析を行って政策教育において獲得すべきコンピテンシーを抽出した。このコンピテンシーについて日本公共政策学会の参照基準と比較すると内容はほぼ網羅していることが明らかとなった。 2019年度はこの政策コンピテンシーを精査し、77項目に絞り込み、看護教育における優先度を明らかにするために全国の看護系大学284校を対象に調査を行った。調査は看護管理学や看護政策論に関連する教育を行っている教員を対象とし、デルファイ法を用いて3段階のWeb調査を行った。優先順位はコンセンサス形成度と優先度でスコアを設定した後、政策コンピテンシーの順位付けを行った。また、9月に米国の看護大学の実態調査を行い、看護教育で実際に行われている政策に関連する教育内容や教育方法について詳細な情報収集を行った。 今後は、それらをもとに看護基礎教育においてどのような教育内容・方法が適当かについてフォーカスグループインタビュや学会での意見交換等を行い実効性のある教育プログラムを検討することとしている。そして、米国調査で得られた情報や日本公共政策学会の参照基準を参考にして、看護基礎教育における政策教育の到達目標、教育内容、教育方法を検討し、実現可能なカリキュラムの位置づけ方についても研究していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は3年間の計画で進めており、2019年度は2年目であるが、予定していた政策コンピテンシーの優先順位を明らかにするための調査を行うことができ、優先スコアを用いた分析を行い、看護教育における政策教育のイメージを明らかにすることができた。また、米国などの政策教育先進地の看護大学の調査を行い、特に教育方法については貴重な示唆を得た。しかし、当初の研究計画では、専門家の意見をもとに政策教育プログラムの原案を検討することとしていたが、ここには至っておらず、2020年度に行うこととしている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は政策コンピテンシーの優先順位やその教育方法について、学会の交流集会を活用して看護教員および看護管理者から意見聴取を行い、また、教育プログラム原案を作成し、それに対してフォーカスインタビューを行う予定である。これらのデータ分析を行い、政策教育プログラムを作成する。しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大していることから、学会での意見交換およびフォーカスインタビューを行う時期がかなり遅れることや、最悪の場合は実施できないこともが想定される。今年度は最終年度であるが、この期間内に目的としている政策教育プログラムの開発に至るか見通せない状況である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、看護教育において政策や管理を教授している教員を対象に、フォーカスグループインタビュを行い、そのデータを分析し、教育プログラムに活用する。また、看護系学会や公共政策学会に研究成果を発表し、意見交換を行うこととしている。その後、政策企画者等の有識者を招いて教育プログラム案に対する意見交換を行う予定である。
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